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先「バチバチだな、お前ら。決まるの時間かかりそうだし、そうだな…。じゃあ高城と仲道、ジャンケンして」
美「え、なんで？」
先「良いから、早くジャンケン」
今まで教室の後ろで静かにわたしたちの様子を見ていた担任が女子たちの空気を読み取ったのか謎の提案をしてきた。
言われるがまま、二人でジャンケンをする。
先「高城が負けね。はい、じゃあ女子は高城に決定」
『どうしてわたしはグーを出さなかったんだ…』
こういうときしっかり負けちゃうのがわたし。
女子たちからは「残念だけど高城さんならいっか」と何故か納得したような声が上がった。…どういう意味なんだろうか。
後から先生に何故わたしたちだったのかと話を聞きにいったら、「立候補してないやつの方が、周りもあいつは白岩のこと好きじゃないし良いかってなるだろ。しかし、イケメンも大変だな、俺も昔は…」
と長い長い武勇伝が始まりそうだったのですぐに退散した。
『あーもう、やりたくない。変な仮装とかだったら嫌だな…』
美「まあまあ決まったんだし、相手が白岩くんなら良いじゃん」
だから困ってるんだよ、と心の中で美彩に突っ込んだ。
あんな何の仮装でもドンと来いというくらいキラキラした王子が横にいたら、隣のわたしはめちゃくちゃ痛いやつになっちゃうじゃん。
「ほら、どうせ高城だったじゃん」
『うるさいよ。やりたくなかったのにー…。変なのだけは着たくないよ』
純「大丈夫やで。高城さん可愛いし、何でも似合うやろ」
『え？』
純「え？」
さらっと河野くんが爆弾発言してきた。
思わず聞き返すと、当の本人はなんか変なこと言った？とでもいうかのようにキョトンとしていた。
可愛い、なんて言われ慣れてないわたしは戸惑う。いやいやいやお世辞だって分かってるけどね？
美「無自覚ナチュラルボーンモテ男ここにもいたわ」
『お世辞でも嬉しいよ。河野くんのおかげで少し元気出てきた』
純「？…まあなんか分からんけどよかったわ」
「……純喜、ちょっと話ある」
瑠姫がヘラヘラしていた河野くんを連れて教室を出て行った。少し顔が険しかったけど何だったんだろうか。
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作者名：あい | 作成日時：2023年11月13日 20時
