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あの日以来、瑠姫とは一緒に登校はしないものの学校では普通に話すようになった。
心なしか瑠姫の表情も柔らかくなったような気がして嬉しかった。
『瑠姫、体育祭何出るの？』
「さあ？余ってるやつでいいし」
純「えー？瑠姫、一緒にリレー出ようや」
「他にやりたい人いるでしょ」
今はもう少しでやってくる体育祭の種目決めの真っ最中だ。
河野くんは行事に全力を注ぐタイプのようでやったるで、とギラギラしていた。
結局瑠姫は強引にリレーメンバーとして入れられた。
美「Aは？何出るの？」
『うーん…借り物競走とかが良いなー』
美「足速いのに？リレー出たら良いじゃん。まあわたしは絶対出ないけど」
クラスがそれぞれ盛り上がる中、突然桜田さんが「白岩くんを仮装リレーに推薦します」と手を挙げた。
仮装リレーはその名の通りそれぞれ仮装をして速さを競う。ただ走るのではなく、男女ペアになって、二人三脚でバトンを繋げていくというものだ。
体育祭の名物種目で、去年も大盛り上がりだった。
瑠姫は去年も推薦されていたが、部活対抗リレーに出るし間に合わない、と無理矢理な理由で断っていたらしい。
そんな彼の方を見るとあからさまにやりたくなさそうな顔をしていた。
桜「絶対盛り上がるし、何より仮装が似合うじゃん？白岩くんがいいと思う人ー！」
桜田さんの圧に押されてみんなが王子なら良いんじゃない？絶対加点もらえるし、と手を挙げる。
仮装リレーはただ走るだけでなく美術点も加算されるため、彼が推薦されるのも納得だった。瑠姫の仮装とか評価されそうだもんね。
「最悪…」
結局多数決で男子は瑠姫に決定した。
当の本人は納得できなさそうに項垂れているけど、周りは既に彼に何を着せるかで盛り上がっていた。
そして問題はここからだ。
純「誰が瑠姫のペアやるん？」
河野くんがクラス全体にそう問いかけた瞬間、クラスの女子の目の色が変わった。
みんなまさに獲物を狙うハンターのようだった。
「私やります」
「私も！」と女子たちが次々に手を挙げる。
やっぱりモテるんだなあ、瑠姫って。
彼氏持ちの子でさえ立候補しているというカオスな状況。手を挙げていないのは私と美彩だけだった。
「高城がやってよ」
『嫌だよ、目立つし』
「見捨てるなよ」
後ろの瑠姫に文句を言われているけど、静かに彼から黒板へ視線を戻した。
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作者名：あい | 作成日時：2023年11月13日 20時
