【A3!】驚異的中学転入生役者系男子【男主】 (ページ2)

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「君を探すためにここまで来たんや............なのに！」

通りすぎの人が足を止める。

少年は整った顔を歪ませて大粒の涙を流す。

「なんで.............君は.....僕を忘れてるん？」

見ている人も一緒に泣き出した。

「僕が君を愛してしまったからや....僕のせいで！」

曇っていた空から静かに雨が降りだした。

「僕は君を愛しとったのに.............君に僕が愛を伝えんかったから！」

誰もが少年の全てに引き込まれている。

そして、少年は囁くような声で言った。

「愛しとるよ.............今でもずっと。」

そう言うと少年は立ち上がって観客に頭を軽く下げた。

少しの静寂のあと大きな歓声とすすり泣く声が響く。

少年は学校帰りだったのか、カバンを背負うとお金をもらうわけでもなく先ほどのオーラを捨てて、そそくさと人混みに消えていった。

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「今日もすごかったよあの子！」

買い物袋を抱えたいづみが目を赤く腫らしながら帰ってきた。

「おかえり監督。すごい泣いたんだね。」

臣が優しく笑うと先ほどの話を始めるいづみ。

「.....そういえば椋くん達とおんなじ制服だったから.............中学生なのかな？聞いてみよう。」

いづみはそんな事をぼんやりと考えながらカレーを作っていた。