2話 ページ3
最終選別。
厳しい鍛錬を乗り越え、ついにこの日がやって来た。
父がもともと隊士をしていて、その姿に憧れ鬼殺隊に入った。父も母も、私の憧れだったから。
藤襲山についた。藤の花が咲き誇り、会場には数十人の人がいた。これから、どれだけの人が死んでいくのだろうか。……私には関係ない話だが。
正直言って他人に興味はない。こんな世界で友達は不要だ。大切な人を作っても、失ってしまった時に絶望するだけ。家族以外に、大事な人なんて要らない。
周りを見渡していれば、ある人と目が合った。こっち見るな、なんて言えないし軽く微笑んで目を逸らす。金髪とは、珍しい色の髪の毛を持つ人もいるのか、なんて考えたが自分の髪の毛も珍しい色だったことを思い出す。母と同じ色、割と気に入っている。
ぼーっとしていたらそっくりな顔立ちの女の子二人からの説明が終わっていた。聞いていなかったが生き残ればいいだけだろう、とどこか楽観的な考えのまま、選別が始まった。
少し歩き回ってみると、雑魚の鬼数匹と会った。最終選別には強い異能の鬼はいないと聞いた。これなら七日間は余裕で生き残れるだろう、それより水や食料の心配のほうが大きい。
それから時間が経った。
叫び声が聞こえた。何かいるのだろうかと声が聞こえたほうへ向かって走ると、鬼と男の子が戦っていた。けれど、おかしい。何故選別にこんな異形の鬼がいるのだろうか。
考えても仕方がない、と参戦しようとすると戦っていた男の子が「逃げろ」と私に伝えてきた。
頭から血を流しているのに、助けを求めず自分が逃げることもなく、戦い続ける。世の中にはそんな人もいるのか。
……そのあと私は戦を傍観していた。彼みたいに性格はよくないから、わざわざ危険な方へ足を踏み入れたりはしない。もしあいつが負けたらこいつの頸は私が斬るつもりだが。
その必要もないみたいだ、彼なら勝てる。そう確信すると同時に、鬼の頸が斬れた。
身体が崩れていく姿を確認し、その場を去ろうとした。その時だった。
あいつが、鬼の手を握ったのは。
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Shaula(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます^^ (2021年1月23日 8時) (レス) id: 099ba59790 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2021年1月23日 3時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shaula | 作成日時:2021年1月8日 20時