息もできずに (ページ8)

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8.距離ページ8

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「ここのピアス痛くないの？」

顔にピアスをあけている友達なんて1人もいないから興味が湧いた

HJ「全然痛くないよ、なんなら軟骨の方が痛かったくらい」

ほら、と耳を見せてくれた。
彼の顔に注目していて軟骨も耳たぶも空いてるなんて知らなかった

HJ「Aのシルバーピアス可愛いね」

「ありがとう、お気に入りだから嬉しい」

なんとなく髪を耳にかけると「耳も小さくて可愛い」
彼の大きな手が私の耳に近づき親指と人さし指で触れられる

まさか触れられるなんて思ってもいなかったのでつい反射的に避けてしまった

「あ、ごめっなさ」

彼はフフと笑うと私の頭を優しく撫でる
初対面なのに距離感が近すぎて調子が狂う

彼の誘いで席の近くにあったダーツをすることになったが私は経験がほぼなかったので何度投げても刺さらず落ちてしまう

また私の番になり投げようとした時に彼に肩を支えられ
「腕はこんな感じで真ん中を意識して投げてみて」と耳元近くで呟かれる

「...わかった」

彼がゼロ距離に居ることで緊張して手が震えないか心配だったけど言われた通りに投げてみると真ん中ではないけどしっかりと的にあたった

「やった」

的にあたったことが嬉しくて思わず彼の方へ向く

HJ「A凄いじゃん、うまいよ」

軽くハイタッチをする

HJ「なんか意外だね」

「なにが？」

HJ「笑うとちょっと違う感じがする」

じっと見つめられて恥ずかしくなり刺さったダーツを取りに前へ出た