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「…あの、布団くらい自分で敷けるよ…」
「他の者にはやらせているだろう」
「いや、うん。やらないと貴方に怒られるって言うから…」
なら座っていろ、と布団を抱え直す姿があまりにも似合わなくて、真面目な無惨の澄まし顔も相まって、Aはそんな状況ではないと分かりつつ思わず笑ってしまう。
「…何がおかしい」
「いや、…ふふっ、なんか可笑しくて」
肩を震わせて笑うAに、何を笑われているのか分からない無惨は気にせず綺麗に布団を敷き終えて、「よし、寝ろ」と満足そうにうなづく。
「うん。おやすみなさい」
「おやすみ」
眠るまで傍にいるつもりなのか、Aが布団に横になったあともそこにいる無惨に、緊張してなかなか眠れないAは、「貴方も一緒に寝ようよ」と目を開けて無惨を見やる。
「…、」
迷うように静かに瞬きを繰り返した無惨は、結局もう一式布団を敷いて、眠気など勿論ないが横になることにする。
「もっと近くに敷いてよ」
そう言いながらAが引き寄せた無惨の布団は、まるで夫婦のように仲良くくっついて、本当にこれでいいのかと無惨は分かりやすく戸惑ってしまう。
「ほら、横になって」
「…ああ、」
言われるがまま布団に潜りこんだ無惨は、消し忘れた明かりでほんのり照らされるAの愛らしい顔を見つめ、こんなに近く、しかも真隣を許されたという事実にどうしようもない高揚感でいっぱいになる。
「…不思議だね」
「？」
「今日は、貴方の顔が優しく見える」
そう言いながら細められる瞳は真っ直ぐ自分に向けられていて、無惨は「そうか」なんてどこか素っ気ない返事をしながら、身に余る幸せを心の中で噛みしめる。
「…A、」
「うん？」
…なんて、幸せなのだ、と。
「…え、なに？なんで呼んだの？」
Aの笑顔を、このささやかな幸せを守るためなら何でもすると、無惨はなぜかゆらめく視界でそれでも美しいAの瞳を、ただじっと見つめ続けた。
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明珠(プロフ) - 梨さん» コメントありがとうございます！そしてお返事が遅くなった私のために2回もコメントしていただき、嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします！！ (10月22日 13時) (
レス) @page28 id: 188ff08a0d (このIDを非表示/違反報告)
梨 - 星が赤くなった！ (10月1日 15時) (レス) id: cdc22d5592 (このIDを非表示/違反報告)
梨 - 尊いです、、 (7月17日 5時) (レス) id: 885e152231 (このIDを非表示/違反報告)
明珠(プロフ) - 瑠音さん» コメントありがとうございます！！これからも溺愛してもらいますので、最後までお付き合いいただければ嬉しいですっ (6月8日 22時) (レス) id: 188ff08a0d (このIDを非表示/違反報告)
瑠音 - 溺愛無惨様最高です (6月8日 19時) (レス) @page14 id: 0b8cc5461c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明珠 | 作成日時：2023年5月30日 12時
