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いつもは長くて嫌いなAが起きるまでの時間、悶々と考え事をしていたせいであっという間に目を覚ますAと目が合ってしまった無惨は、寝起き早々またAの機嫌を損ねてしまってはいけないと慌てて立ち上がる。
「…まって、」
寝起きの掠れた声で呼び止められて、その場に座り直した無惨は、「…首、本当に大丈夫なの？」と心配したような瞳を向けられて、不可解に早くなる心臓にどうしたらいいのか分からなくなる。
「…やっぱり具合、悪いの？」
無惨は慌てて首を横に振って、やはり気遣うように自分を見つめる瞳に込み上げてくるものが何なのか、自分でも上手く理解できずに「お前は平気か」と話を逸らしてしまう。
「うん。私は平気だよ。…この着替え、貴方がやってくれたの？」
本当のことを言ってもいいのだろうかとAを見つめる無惨は恐る恐るうなづいて、「…そっか。ありがとう」とのAの言葉に、昨日のこともあり、夢でも見ているような心地にさせられる。
「…何で、貴方の方が怯えてるの」
可笑しそうに笑いながらそう言うAは、無惨の顔を覗きこむように近付いて「…ねぇ。もう一回、昨日みたいに笑って見せて」と瞳を細める。
「…。」
A以外になら完璧にできるのに、頬が引き攣って上手く笑えない無惨は、やはり上手くないのか、笑い声をあげるAにじんわりと頬が熱くなるのを感じる。
「あはは、顔赤い」
そう言って無惨の頬を撫でたAに、無惨はもう昨日のことは気にしていないのかと、Aにどんな対応をしたらいいか分からず不安になる。
「…貴方、笑うとお姉さんに似てるね」
「…、」
「もしかして兄妹？」
「いや…」
こればかりは本当のことを言えない無惨は、「お姉さん、貴方のことすごく慕ってるみたいだよ。大事にしてあげてね」と何も知らないAの言葉に、曖昧にうなづいて下手くそな笑みを浮かべるしかないのだった。
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明珠(プロフ) - 梨さん» コメントありがとうございます！そしてお返事が遅くなった私のために2回もコメントしていただき、嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします！！ (10月22日 13時) (
レス) @page28 id: 188ff08a0d (このIDを非表示/違反報告)
梨 - 星が赤くなった！ (10月1日 15時) (レス) id: cdc22d5592 (このIDを非表示/違反報告)
梨 - 尊いです、、 (7月17日 5時) (レス) id: 885e152231 (このIDを非表示/違反報告)
明珠(プロフ) - 瑠音さん» コメントありがとうございます！！これからも溺愛してもらいますので、最後までお付き合いいただければ嬉しいですっ (6月8日 22時) (レス) id: 188ff08a0d (このIDを非表示/違反報告)
瑠音 - 溺愛無惨様最高です (6月8日 19時) (レス) @page14 id: 0b8cc5461c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明珠 | 作成日時：2023年5月30日 12時
