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「…おかしいか」
「ううん、全然!むしろ、もっと笑った方がいいんじゃない?」


そう言いながら指先で無理やり無惨の口角を上げたAは、「うん、やっぱり笑ってる方がいい」とやんわりと微笑む。


「…そうだ。私、お父さんとお母さんのお墓を作りに行きたいの。貴方が約束を守ってくれるなら、私も守るから。…行かせてくれない?」


Aの言葉に「夜なら」と返した無惨は、本当なら今すぐにでも行ってやりたいが、流石にAのためと言えど一日で二度も太陽に焼かれるのは無理だと心の中で言い訳を並べる。


「今日でもいい?」
「ああ」
「良かった。…やっと会える」


寂しそうに、そしてほんの少しだけ嬉しそうにそう言うAに、無惨は今までどんな相手にも感じたことのない感情が湧き上がってきて、「…お前には…悪いことを、した」と呟くように懺悔する。


「…。貴方もちゃんと、両親を弔ってね」
「ああ」


迷いなくうなづく無惨に、「…本当、貴方は酷い人だね」と眉を下げて無理やりに笑うAは、無惨から目を逸らすようにぽつりと一つだけある部屋の明かりに目を向ける。


「…恨んだままでいられたら、楽だったのに」


そう言いながら言葉尻を小さくするAは、顔を隠すように膝を抱える。


「お母さん達に、会いたい…」


それはきっと、今日弔いに行く会いたい、の意味ではないと無惨にも分かってしまって、じわじわと突きつけられる己の罪の重さに、無惨はなんと言葉をかけるべきなのか、何も言葉が見つからなかった。

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明珠(プロフ) - 梨さん» コメントありがとうございます!そしてお返事が遅くなった私のために2回もコメントしていただき、嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします!! (10月22日 13時) (レス) @page28 id: 188ff08a0d (このIDを非表示/違反報告)
- 星が赤くなった! (10月1日 15時) (レス) id: cdc22d5592 (このIDを非表示/違反報告)
- 尊いです、、 (7月17日 5時) (レス) id: 885e152231 (このIDを非表示/違反報告)
明珠(プロフ) - 瑠音さん» コメントありがとうございます!!これからも溺愛してもらいますので、最後までお付き合いいただければ嬉しいですっ (6月8日 22時) (レス) id: 188ff08a0d (このIDを非表示/違反報告)
瑠音 - 溺愛無惨様最高です (6月8日 19時) (レス) @page14 id: 0b8cc5461c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明珠 | 作成日時:2023年5月30日 12時

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