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そのまま外へ出るのかと思いきや、手袋をして顔を隠すように笠をかぶった女性の姿の無惨に、Aは「それ、前見えるの？」とその顔を覗きこむ。
「…。」
地面は見えるとでも言うように下を指差す無惨に、「じゃあ転ばないように、私が手を引いてあげるね」とAは無惨の手をとる。
「行こう」
Aに優しい笑みを向けられ手を引かれ、女の姿であることを忘れてしまいそうなほど、ふわふわとする初めての感覚に、無惨は焼けるように熱い頬が太陽のせいなのか高揚感のせいなのか、分からなくなる。
「…。」
流石に真昼は日差しがきついと、陽の光を遮る笠のおかげでまだ治癒力の方が勝るらしい感覚に、無惨は人知れずほっと胸を撫でおろす。
「ねぇ見て。ここ美味しそう！」
顔が見えない分いつもより大きくうなづく無惨は、「ここ入ってもいい？」と問うてくるAに、再びうなづく。
「すごい、沢山あるよ」
お品書きを見て嬉しそうに表情をゆるめるAは、「今日はお姉さんも一緒に食べようよ」と、室内でもなかなか笠を取る勇気が持てないでいる無惨に声をかける。
『お腹、減ってない』
「…でもせっかくのお出かけなのに、一人で食べるのは寂しいよ」
『甘味、一緒に食べる』
そうAの耳元で囁いて食べる前から胸やけがする気がする無惨は、「やった、じゃあ早く頼んで早く食べる」と嬉しそうなAに、一瞬で嫌な気持ちも忘れて笑みを浮かべる。
「早くこないかな〜」
注文を早々に済ませて「楽しみ」と笑うAを見るだけで、わざわざこの不快な痛みに耐えて外に出た甲斐があるものだと、無惨は笠の下で穏やかに瞳を細めた。
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明珠(プロフ) - 梨さん» コメントありがとうございます！そしてお返事が遅くなった私のために2回もコメントしていただき、嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします！！ (10月22日 13時) (
レス) @page28 id: 188ff08a0d (このIDを非表示/違反報告)
梨 - 星が赤くなった！ (10月1日 15時) (レス) id: cdc22d5592 (このIDを非表示/違反報告)
梨 - 尊いです、、 (7月17日 5時) (レス) id: 885e152231 (このIDを非表示/違反報告)
明珠(プロフ) - 瑠音さん» コメントありがとうございます！！これからも溺愛してもらいますので、最後までお付き合いいただければ嬉しいですっ (6月8日 22時) (レス) id: 188ff08a0d (このIDを非表示/違反報告)
瑠音 - 溺愛無惨様最高です (6月8日 19時) (レス) @page14 id: 0b8cc5461c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明珠 | 作成日時：2023年5月30日 12時
