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「美味しかった〜!」


美味しい食事と共にお酒も楽しみ、ほろ酔い気分でお店を出たAは、「こういうとき、家が遠いと嫌だよねー」と電車の時刻表の検索を始める。


「んげ、家に着くの23時過ぎだ…」
「都内に住めばいいのに」
「お金持ちと一緒にしないでー。私は実家に仕送りもしてるし、大変なのー」


じゃあね、と帰ろうとするAの腕を掴んで、「それなら、僕の家に泊まってきなよ」と笑う悟は、「今日も楽だし、明日も楽。良いことしかないよね?」と掴んだ腕を引き寄せる。


「…んー…それなら、もう少し飲みたい」
「いいよ。家で飲む?外で飲む?」
「外外!お洒落なところで飲みたいー」


Aの言葉に「家の近くに、口コミ良いところがあるよ」と微笑んだ悟は、流れるように自然な仕草でAの指先に自分のものを絡ませる。


「よし、そこに行こうー!」
「…あんまり飲みすぎると、明日に響くよ」
「あはは、そうなったら偶には、悟に任務を代わってもらうのも悪くないね!」
「えー、あんまり楽すぎるの回されても、退屈なんだけど」


悟の言葉にむっとしたような表情を浮かべたAは、「…知ってるよ。私が特級になれないようにしてるんでしょ?」と責めるように悟の手をきつく握り返す。


「…んー?なにそれ、誰に聞いたの?」
「聞かなくても分かるよっ!ただの一級術師に、特級の任務押し付けるなんておかしいでしょ!」
「そう?楽なのしかあげてないじゃん」


感情の読めない笑顔でそう言った悟に、酔っているせいか心の内を隠そうとしないAは拗ねたような表情を浮かべて、「分かってるよ。…本当は、私がやるべき任務を、悟がやってくれてるんでしょ」と小さな声で呟くように言う。


「…特級になったって、…私じゃ、傑を殺せないもんね」
「…A、」
「殺せないよね。だってまだ、…好きだもん」


分かっているつもりだった現実をいざはっきりと突きつけられると苦しくて、悟は何も言えずに俯くAに手を伸ばそうとして、すぐに思い直す。


「傑は、私を…殺すかな」


こんなに近くにいるのに、ずっと傍にいるのに、それでもまだ入り込めないAの心の隙に悟は虚しさを感じずにはいられず、それでもまだAが好きだと叫び続ける己の心に、悟は無言で唇を噛み締めてAから顔ごと目を逸らした。

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明珠(プロフ) - Mamiさん» ありがとうございます!良かったですー! (2022年6月3日 10時) (レス) id: 64ad7b0890 (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 明珠さん» 全然面白いです! (2022年6月2日 16時) (レス) @page33 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
明珠(プロフ) - Mamiさん» こちらこそありがとうございます!なんとか行けるところまでいってみましたが、どうでしょうか、、?違うものが始まりそうになって強制終了させてしまったので、物足りないかもしれません、、 (2022年6月2日 16時) (レス) id: 64ad7b0890 (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 明珠さん» レス返して頂きありがとうございます!例えば激しいキスとかはどうかなぁ…と思いまして…。そう言うのが嫌でしたら無理には言わないですが… (2022年5月31日 22時) (レス) @page31 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
明珠(プロフ) - Mamiさん» はじめまして!コメントありがとうございます。読解力がなくて申し訳ないですが、具体的にイチャイチャ至る所、というのはどういうことでしょうか、、?? (2022年5月31日 12時) (レス) id: 64ad7b0890 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明珠 | 作成日時:2022年4月30日 23時

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