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ずっと、思っていたことがある。
五条の家のこと、他の家との関係、色んな兼ね合いから自分はきっと、恋愛結婚はできないだろうと。
それまでに心置きなく遊んでおけば、後悔もないだろうと。
「初めまして、Aです。五条くんすっごいね!顔!…術師なんかにならずに、モデルになればいいのに!」
「…はぁ?」
「顔だよ、顔!ものすごくかっこいい!…もしかして知らなかった?五条くん、すごくかっこいいよ!」
五条家の嫡男、六眼を持つ者、名家の次期当主。
色んな色眼鏡で見られてきて、遠巻きにされ、気軽に話しかけてくる者もいなければ、ましてや俺自身のことを言及してくる人間なんて一人もいなかった。
「…うっざ。なに話しかけてきてんの?」
「え。…あ、待って。性格は終わってる感じ?」
「…どうせお前、弱ぇんだろ?すぐ死ぬやつと馴れ合う気ねぇし、ましてや名前とか、覚える気ねーから」
Aは信じないかもしれないけど、今までの考えを覆してしまうくらいには、一瞬でAに心惹かれた。
「…あのね、五条くん。そんなんじゃ友達できないよ。せっかく綺麗なんだから、笑顔くらい見せなきゃ」
「!触ってんじゃねーよ!」
「あ、もしかして照れてる?色素薄いから分かりやすいね!」
それでもやはり、結婚までたどり着けないなら付き合いたいと願うだけ無駄だと、友として差し伸べられた手を振り払って、傑と楽しそうに笑い合うのを遠くから眺めて、これで良いんだと己に言い聞かせ続けた。
傑の手で、Aが幸せになるのを願っていた。
「Aのこと、頼むよ」
傑が、その手を離すまでは。
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明珠(プロフ) - Mamiさん» ありがとうございます!良かったですー! (2022年6月3日 10時) (レス) id: 64ad7b0890 (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 明珠さん» 全然面白いです! (2022年6月2日 16時) (レス) @page33 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
明珠(プロフ) - Mamiさん» こちらこそありがとうございます!なんとか行けるところまでいってみましたが、どうでしょうか、、?違うものが始まりそうになって強制終了させてしまったので、物足りないかもしれません、、 (2022年6月2日 16時) (レス) id: 64ad7b0890 (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 明珠さん» レス返して頂きありがとうございます!例えば激しいキスとかはどうかなぁ…と思いまして…。そう言うのが嫌でしたら無理には言わないですが… (2022年5月31日 22時) (レス) @page31 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
明珠(プロフ) - Mamiさん» はじめまして!コメントありがとうございます。読解力がなくて申し訳ないですが、具体的にイチャイチャ至る所、というのはどういうことでしょうか、、?? (2022年5月31日 12時) (レス) id: 64ad7b0890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:明珠 | 作成日時:2022年4月30日 23時