1 ページ2
・
「つっかれたぁ…、」
高専の教員となり、全学年の副担任を兼任させられてから、はや一年。
担任に回ってきた任務を肩代わりするのも副担任の役目だと、五条悟とかいうクソむかつく野朗に任務を押し付けられるようになってから、一年。
「…何でこんなことに…」
お腹が空きすぎてもはや食欲もなく、忙しい中でも毎日欠かさないお手製の弁当を前に、Aが大きなため息をついたとき。
「…あれ？Aが学校にいるの珍しいね。…これ食べないの？いただきまーす」
Aの返答など待たずにおかずを一つつまんで口の中に放り入れたのは、Aの疲労の元凶、五条悟。
「ん、やっぱり、Aの厚焼き卵が一番美味しい」
「…ねぇ知ってる？」
「ん？」
「私この一年、悟の分と自分の分、二人分の任務やってるの」
Aが喋っている間にももう一つおかずを奪っていった悟は、「…あー、…でも、この前のヤバそうなやつは僕行ってあげたよね」なんて、さも良いことをしてあげたかのような表情で言ってのける。
「…いや、そもそも悟の任務だし」
「えー？…だってほら、Aも知ってるでしょ？今年は特に大変なんだって」
「そんなの、可愛い生徒の為なら頑張れるじゃん。…私は？私は何のために頑張ってんのよ…」
「…ナイスガイで生徒思いな、僕のため？」
もう何も言い返す気も起きないAは、わざとらしく息を吐いて、食欲よりも先にくる眠気に、ゆっくりと瞼を閉じる。
「ここで寝るの？」
「んー、」
「僕の家で寝なよ。布団もシャワーも使っていいからさ」
「…そうやって、私に夕飯作らせる気でしょ」
「はは、いいじゃん。…ほら、いくらでも使っていいよ？」
そう言って手渡されたカードに勢いよく立ち上がったAは、「ちょうど買わなきゃいけないもの、いっぱいあったんだよねー」とさっさとその場から居なくなる。
「…現金なやつ」
そんなことを呟いてAを見送った悟は、Aが置いていった弁当をしっかりと完食して、上機嫌なまま授業へと戻って行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明珠(プロフ) - Mamiさん» ありがとうございます！良かったですー！ (2022年6月3日 10時) (
レス) id: 64ad7b0890 (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 明珠さん» 全然面白いです！ (2022年6月2日 16時) (レス) @page33 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
明珠(プロフ) - Mamiさん» こちらこそありがとうございます！なんとか行けるところまでいってみましたが、どうでしょうか、、？違うものが始まりそうになって強制終了させてしまったので、物足りないかもしれません、、 (2022年6月2日 16時) (レス) id: 64ad7b0890 (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 明珠さん» レス返して頂きありがとうございます！例えば激しいキスとかはどうかなぁ…と思いまして…。そう言うのが嫌でしたら無理には言わないですが… (2022年5月31日 22時) (レス) @page31 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
明珠(プロフ) - Mamiさん» はじめまして！コメントありがとうございます。読解力がなくて申し訳ないですが、具体的にイチャイチャ至る所、というのはどういうことでしょうか、、？？ (2022年5月31日 12時) (レス) id: 64ad7b0890 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：明珠 | 作成日時：2022年4月30日 23時
