☆一人芝居 ページ11
幕が上がり始まったはいいものの…
( なんだこれ…段ボール… ?
これがセット… ? 演出なのか… ?)
頭の中に全力でハテナを浮かべる。
すると横の方から 1人の男の子が出てきた。
「 えーと、 立ち位置は …」
( … あいつ)
「 … 」
その男の子は緊張しているようで
言葉をなかなか発しようとしない。
オマケに動きまでぎこちなかった。
「 やぁ、僕は門田(かどた)ロミオ!高校一年生!
クラスメイトの女の子に片思い中なんだ!
あーあ、どうしてあの子は僕のことを好きになってくれないのかなー。
僕はこんなにあの子のことが好きなのに!」
はっきり言う。
今日初めて演劇を見る僕でも分かるくらい、演技は全然。ほとんどのセリフが棒読みだった。
( …さっき後悔するなって言ってたのってこの事か… ?)
なんて頭で考えて。
「 いけない、もうこんな時間!
学校に行かなくちゃ!」
もしかしてだけど
ずっとあいつの一人芝居か…?
なんて不安に思っていたら
「 おいマテよロミオ」
あいつとまた違う声が横から聞こえてき、
( … よかった)
と安心したのもつかの間
「 学校に行くんダロ、俺も連れテケ」
… まぁなんと。ピンクのオウムがセリフを言っているではありませんか。
( そんなのありかよ…)
「 ふぅ…。」
隣で男がため息をつく。
( … 僕もため息でそう)
「 よし!あの子に会いに行こう!」
そいつはこんな状況なのに
相変わらずの一人芝居を続ける。
最初は緊張していただろうに
今はもう緊張していないようだった。
まぁ大方、舞台に立つのが本当に楽しくて仕方ないのだろう。
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「 ありがとうございました!」
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作者名:肉まん | 作成日時:2018年10月19日 0時