魔法が解ける前に【MASHLE】 (ページ6)

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バレンタインページ6

︎︎◯ マッシュ・バーンデッド

「マッシュくんおはよう！どうぞ！」

2月14日、朝。好きな人にこの日の為に何度も練習したチョコシュークリームを渡した。

「おはようAちゃん、ありがとう。これは……シュークリーム？」

私の想い人のマッシュくんは、不思議そうな顔をしつつも受け取ってくれた。ていうか匂いだけでシュークリームって分かるのすごい。流石だ。

「そうだよ！チョコシュークリームに挑戦してみたの！」

「すごい。ありがとう。でも急にどうしたの？」

…………ちょっと待って。まさかマッシュくん。

「…………マッシュくん、今日何の日か知ってる？」

「えっ、えーっと……シュークリームの日？」

知らないのか──！！！！！！！

「今日はバレンタインだよ」

「ばれんたいん？」

“何それ？”という顔で首を傾げるマッシュくん。本当に知らなかったんだね。

「女の子が好きな人にチョコを渡す日なんだよ」

「そうなんだ」

……待てよ？それ言ったら私がマッシュくんのこと好きですって言ってるようなものじゃないか？

「じゃあ私レモンちゃんを探しに行くからまた後でね！」

マッシュくんは天然だし多分そんなこと気付いてないだろうけど、私が恥ずかしくていてもたってもいられなくなり、レモンちゃんを理由にその場から逃げ出した。

．

「あれ、マッシュくんそれどうしたの？」

「Aちゃんにもらったんだ。そうだフィンくん、バレンタインって知ってる？」

「女の子が好きな人とか友達にチョコを渡す日だよね」

「なるほど。Aちゃんは好きな人としか言ってなかったけど、友達にもあげるのか」

「…………マッシュくん、もしかして」

本命チョコだと気付いた彼は、どんな反応をするんだろうか。