慣れ〖ランス・クラウン〗 ページ1
「きゃ〜!ランスくんよ!」
「今日もかっこいい……!」
私の彼氏、ランス・クラウンは強くてイケメンでありそれはもう大変おモテになる。
私とランスくんの2人で並んで廊下を歩いていてもお構い無しに黄色い歓声が飛び交う。
アナタ達、私が見えないのかしら!あなた達の大好きなランスくんはわたしの彼氏でしてよ!
と、声を大にして言おうとも思ったが、心の中に留めておくことにした。
.
「Aちゃんは嫉妬とかしないんですか?」
「え、ウンしない」
今は同室であり親友のレモンちゃんとの恋バナ中である。
「信じられないです!」と身体全体で “驚” を表すレモンちゃん。
そりゃあわたしも最初の頃は毎日嫉妬パラダイスでしたよ。廊下を歩けば飛び交う歓声。隣に
でもそんなものはもう慣れた。慣れてしまえば痛くも痒くもないのだ。
「うん、慣れたからね。逆にレモンちゃんはするの?」
「はい!マッシュくんに近付く人は…………ふふ、好きだからこそ嫉妬するものですよ!」
一瞬負のオーラが漂ったのは気のせいだ、絶対。
「うーん、でも嫉妬した所で辛いだけだしランスくんの顔が変わらない限りはファンの子達がくっ付いて回るだろうし……」
あのイケメンフェイス。イケメンすぎて隣歩きたくなくなる……。
「あ!そうです!この際ランスくんに “嫉妬するから女の子を無視して!” と言うのはどうでしょう!」
レモンちゃんに言われてちょっと考えてみた。
「………いや、ランスくんは優しいから流石に無視はできないと思うし嫉妬?めんどくせーとか言われそう」
上から見下ろされながら『俺に手間をかけさせるな』とか言われたりして………。想像しただけで怖くて思わず身震いした。
「…………俺がなんだ?」
────ン?この声……
背後から聞き覚えのある声が聞こえ、ゆっくりと振り返る。
「ランスくん、乙女の会話を盗み聞き?」
本当、タイミングが悪いと言うか。
「…コイツ、借りてもいいか?」
「あ、はい!」
誤魔化しは効かなかったようだ。ランスくんに借りられ部屋を出る時、レモンちゃんから “頑張って下さい!” という眼差しが送られた。
いや、切実に助けて欲しいかな。
という私の希望は届かず、ランスくんは私の腕を掴んでズンズンと歩き出した。
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イオリ - 私も勘違いしちゃいました (4月29日 12時) (レス) @page8 id: 7d6a5219c4 (このIDを非表示/違反報告)
注射 - レインの夜が…タイトルで…勘違いを…してしまいました… (4月3日 22時) (レス) @page5 id: 989a98e326 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - うぃsyさん» 共感すぎて私も死にます (2月12日 7時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
うぃsy - 柏餅さん» ほんとにわかります(泣)嫉妬神すぎて死にます (2月11日 22時) (レス) @page4 id: 4b0e14d64e (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - マジでマッシュ嫉妬神すぎて神です! (2月11日 13時) (レス) @page4 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海於 | 作成日時:2024年2月11日 8時