39話 ページ39
白石side
部活が終わりAちゃんの病室に行くとそこには
何もなかった
ベッドも棚も何もなかった。まるで初めからなにもなかったかのように
部屋番号を確認するがやはりAちゃんがいた205号室だった
蔵「Aちゃん・・・」
俺は少し焦り、近くのナースステーションに駆け付けた
蔵「あ、あの・・・」
看「あれ、蔵ノ介君。どうしたの?そんなに急いで?」
カウンターに出てきたのはいつもAちゃんのお世話をしていた看護師さんだった
蔵「Aちゃんは・・・Aちゃんはどこですか?
さっき行ったら何もなくて・・・」
すると看護師さんは少し表情を暗くした
看「ごめんなさい。そのことはAちゃんから口止めされてるの・・・」
蔵「何で・・・・!もしかしてAちゃんになんかあったんですか!」
看「違うのよ・・・・・そんな大ごとじゃないと思うんだけど・・・」
違う?・・・・じゃあAちゃんはどこに・・・
抜け出したわけでもなさそうだし・・
蔵「なんで教えてくれないんですか?
俺まだAちゃんとの約束を果たせてないんです。」
ヒーローになるってあの時言うたのに・・・まだ、なれてへんのに・・・
蔵「だからお願いです!教えてください・・・・Aちゃんがどこにいるのか・・・」
俺は深く頭を下げた。早くAちゃんに会いたい、そう強く思った
だけどそれはもう叶わないことが分かった
看「・・・・わかった・・・・でも詳しくは知らないんだけどAちゃんは転院したのよ」
蔵「え・・・・・Aちゃんが・・・・
それはどこですか!?」
転院・・・そんな・・・Aちゃん一言も言ってくれんかったやん
看「落ち着いて・・・私も何処に転院したかは知らないの・・・
だけどAちゃん、蔵ノ介君に心配かけたくないって言ってて・・・」
蔵「そんな・・・」
心配かけたくないって・・・前も言ったやん・・・
そんなんじゃ俺はいつまでたってもAちゃんのヒーローになれへんって・・・
なんで・・・
その日家に帰っても食欲がなく、そのまま部屋に行き
ベッドで一人考え事をしていた
心が暗闇の底に落ちたようなとても複雑な気持ちだった・・・
そしてこれをきっかけに自分の気持ちに気づいた
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渚(プロフ) - ごめんなさい。変換ミスでしたm(__)m (2020年9月21日 20時) (レス) id: d9316f3163 (このIDを非表示/違反報告)
真田葵(プロフ) - 41話退院では? (2020年9月21日 14時) (レス) id: 6a6a043b0a (このIDを非表示/違反報告)
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