37話 ページ37
翌日
お昼ごろにお母さんが来た
いつもとは違い笑顔はないというより無理やり笑っている感じ
母「A、明日の朝出発だから準備しといてね」
「うん・・・」
別に驚きの事ではない。だって前から移動することは知ってたし、今日出発かな?
なんて毎日思ってたし
母「蔵ノ介君達には言った?」
「うん・・・」
嘘だ。『神奈川に行くことになったんだ』なんて彼らの前で気軽に言える言葉じゃない
謙也君が言っていたように、三年生の皆はこの先世界を目指すことだってある
二年生と一年生は来年の全国大会が待っている。そんな有望な選手に
言ったら負担になってしまうかもしれない。私だってそれは嫌だ
だからこれが誰も傷つかない方法だ
_____________
その日の午後は大雨だった
私はそんなことも気にせず外に出て桜の木の元に行った
少し雨の当たる冷たさを感じる
私は木にそっと手を当てた
「バイバイ
飽きなかったね。神奈川に行っちゃうから会えなくなるね。枯れたりしないでね。じゃあ」
そして桜の木から手を離す。上を見上げると一輪だけ桜が咲いているのが見えた
「生き残りかい?一人じゃ寂しいだろ。早く散ったほうがいいよ」
それは私のほうだろ。自分の中で思う
さっさとここから出てけ、とでも訳そうか
でも、本当に会えなくなる・・・・神奈川でちゃんと友達出来るかな?
そもそも癌が治るのかな?大丈夫かな?・・・・
どんどん不安が積み重なっていく
足元を見ると複数の雨が地面に打ち付けている
「はぁ・・・・」
小さなため息をつく
すると足元に打ち付けていた雨が消えた
止んだのかな?
そう思い上を見ると傘があった。そして横には心のどこかで会いたいと思っていた人
蔵「Aちゃん、こんなところにいたら風邪引くで
そう言って肩にジャージをかぶせてくれた」
蔵ノ介君だった・・・蔵ノ介君はいつもみたいにとても優しい笑顔だった
私、昨日あんな酷い態度とったのになんで?なんでそこまで私に優しくするの?
「どうして蔵ノ介君は私に優しいの?・・・」
蔵「え?・・・・」
「病人だから?女の子だから?ただの友達だから?」
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渚(プロフ) - ごめんなさい。変換ミスでしたm(__)m (2020年9月21日 20時) (レス) id: d9316f3163 (このIDを非表示/違反報告)
真田葵(プロフ) - 41話退院では? (2020年9月21日 14時) (レス) id: 6a6a043b0a (このIDを非表示/違反報告)
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