私のヒーロー、君のヒーロー【白石蔵ノ介】

３１話 ページ31

謙「え・・・いつから・・・」




「ん？ここに入院してるときからずっとだよ」





謙「なんで・・・なんで言ってくれなかったん？知ってたら



　 もっと会いに来てたのに・・・・」






謙也君は少し目に涙を浮かべていた




泣かないで・・・君のそんな顔は見たくない





「言ったら、謙也君も蔵ノ介君みたいになっちゃうかもしれない・・・


　だからこれで謙也君と会うのも最期かもね」






謙「俺は白石みたいにはならん！だからもっと早く言ってほしかった・・・」





「口ではどうとでも言えても実際はすぐに飲み込まれてしまう



　私は周りの人をそういう風にしちゃう悪い人間なんだ




　 まぁ、悪役(ヴィラン)ってとこかな・・・だから私にもあんまり関わらないほうがいいよ」





謙也君は拳をぎゅっと握りしめていた






「ほら、帰った帰った


　今なら、部活に行っても間に合うんじゃない？」





そう言って、無理やり病室から追い出す





謙「やっぱり俺、Aちゃんにどういわれようとまた来るから！」





謙也君は手を振って出て行った





前も帰る時いつもそう言ってたよね・・・



『Aちゃん！また来るから！』




そう言って、廊下を走ってお父さんに怒られてたっけ？




でも、やはり私と関わるのはやめたほうがいいと思う




その時心臓が大きくドクンと鳴った






急に息が苦しくなって、その場に倒れる・・・




「ﾊｧﾊｧ・・・・・」





ベッドの上にあるナースコールさえ押せない・・・




あぁ、私このまま死んじゃうのかな・・・・




最期に蔵ノ介君に会っておきたかったな・・・




そして瞼が重くなり意識が途切れた

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