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「最っ、低！」
パン、と乾いた音が中庭に響く。…あー、またかよ。ってかあいつ地味に力強えし、痛いわ。
ってか別に俺あいつのこと好きだと思った事ねえしなあ、「部活と私どっちが大事なの？！」って聞かれたら「部活」って答えるに決まってるだろ。
別に振られたから、って気にして等いない。が、俺の噂は絶対聞いているはずなのにどうして女子というものは愛されたがるのか。
俺、黒尾鉄朗は自他共に認める女たらしである。別に女が好きとかそんなんじゃなくて、ただ刺激、というか、退屈だからなにか面白いものが欲しい。それだけだ。…我ながら最低な理由である。
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「またかよ…。」
「まただよ、って事でやっくん慰めて。」
「お前を慰めてる時間無駄だから却下で。」
「え、ちょ、ヒドクナイ？」
先程の出来事をやっくんこと夜久衛輔に伝えれば呆れられると同時にさらっ、と酷いことを言われた俺。ウン、泣きそう。
「いい加減特定の女の子見つけろよな。」
「ウーーン、そう言われてもねェ、って感じ。」
「流石、モテる男は言うことが違う、っていうやつかよ。」
「まあそういう事。」
「うっわ、腹立つ。…とか言ってたらなーんかまた呼び出されてますよ黒尾クン。」
「あー、またか。んじゃ、俺行ってくるわ。」
「ん。」
夜久と他愛のない話をしていると呼び出し。夜久に軽く手を振って教室を後にすればまあ見たことも喋ったこともねえ奴。
「あ、えっと、…ここじゃなんですから、ちょっと人目のつかない所に移動しても大丈夫ですか？」
「あー、ウン。なら屋上にでも行く？」
俺がそう提案すれば「はい！」なんて言って頬を赤く染めながら笑う女の子。…どうせ告白なんだろうなあ、なんてぼんやり考えながら屋上へと向かっていった。
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