作る私と着る慎 7

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慎side 2024/5


　


あれからAの実家での生活がスタート



催涙スプレーかけられて以降
外出を控えてて



最近やっと様子見て解禁されたのに
今回のでまた家に閉じこもる日々



前回Aが実家で生活してたときは
海斗から守るために…



そして俺らの関係をバラされないために
離れ離れの生活だったけど



今回は離れる必要がなくて
そこがだいぶ嬉しいポイント



そんな生活をして1週間経った頃



仕事中に駒井さんから
『暴走車を運転してた人を捕まえました』
と連絡がきた



はぁ…とりあえずよかった…





壱馬「なした、眠いん？」



慎「このあいだ話した
車の運転手が見つかったそうで
ほっとしてました」



壱馬「お前も大変やな」



慎「彼女が命狙われるって…
俺自分で仕事してるのすごいと思います
自分で自分を褒めます」



壱馬「ほんまにすごい
で、別れたいAの気持ちは？」



慎「…『なんで？』って
別れ話みたいなことになってから
どこかずっと壁を感じてて…

突然パッて消えそうなんです」



壱馬「そーか…
Aがそう思ってるからって
そんなお願い叶えんなよ、絶対後悔する」



慎「はい、分かってます
Aがどこか行こうと思っても
警戒度MAXな実家には
屈強なBGがいるから無理なんです」





そういう面では
実家にいるほうが安心なんだよなぁ



家族がご飯食べ終わってる時間に
Aの実家に帰ったら
Aの手料理が並んでて
2人で『いただきます』





A「捕まったって…
全然知らない人だった

もう家戻っていいみたい
監視はつくけど」



慎「帰ろ、俺らの家に」





お父さんからの『任せた』って言葉を
重く受け止めて帰宅



久しぶりの我が家は
荒れまくっていた事件直後の名残はなく
元どおりに戻ってた





慎「明日、海いこっか」



A「撮影は？」



慎「ドラマのみんなは
俺が出ないシーン撮るために山梨
ランペの仕事はもう終わらせた」



A「海、行く」





駒井さんたちに許可を得て
俺運転で五十嵐家の別荘へ



Aの心から笑った笑顔が見たい



ただ、それだけ





A「っ…」



慎「なした？」



A「気持ちい、ね？」





ずっと見たかった笑顔が…



海を見ながら…
髪をなびかせながら…
涙を流しながら…





慎「やっと笑ってくれた」




来てよかった

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