作る私と着る慎 7

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慎side 2024/4





慎「そっか…あのスタッフさんか…」



A「いい人だったのにね」



慎「お金動いてる感じ？
ピアス渡したあとすぐ辞めたのも
関係してるよね？」



A「詳しくは分からないけど
多分そう」



慎「…人間不信なる」



A「私はまこの味方だよ、ずっと」



慎「うん
Aがいてくれればいい」





いつも、くるし〜って言うぐらいの力で
抱きしめてるのに



今は何も言わないで
俺の頭を撫でてくれてる優しさが
嬉しかった





A「ふふ
たまに脱力して家事放棄しちゃうけどね〜」



慎「いてくれればそれでいいの
そろそろ苦しい？」



A「だいぶ前から苦しい」





力緩めて起き上がると
ソファーに腰掛けた俺の上に乗せた



お互い乱れた髪を直して
『ふふ』って見つめあった





慎「ありがと」





俺がもらったピアスから
盗聴器らしきものが発見された翌日



朝起きたら"らしきもの"から
盗聴器と断定された



そんな話嘘みたい、と信じたくないけど
これは現実、そしてこの家で起きたこと





慎「お兄さんそろそろ来るよ」



A「時間ない〜
あ、スプリンクラーお願いね」



慎「うん、いればいいだけだから全然
俺片付けるから準備しておいで」



A「ありがと」



慎「コートどれ着ていくの？」



A「んーと
まだビニールかぶってるトレンチにする〜」





寝室の中にある扉を開けて
ウォークインクローゼットから
トレンチコートを取って…



盗聴器ってどれぐらい優秀なんだろ



寝室の声聞こえてたなら
大人な時間の声も聞かれてたのかな



起きたことは仕方ないって感じで
割り切ってるAだけど
俺はやだよ、俺だけ聞いてればいいの



まぁ、今更何言ったって
何も変わらないんだけど…





A「コートありがと」



慎「ん、今日もかわいい」



A「ふふ
まこに甘やかされてるから
たまには他の人の意見も聞かないと」





［ ピンポーン ］





彰「おはよ
どうせバタバタしてるんでしょ」



慎「おはようございます
バタバタでした、ふふ
今トイレ行ってます」



彰「盗聴器のこと、聞いた
何あるか分からないから
油断しないようにね」



慎「はい」

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