壱馬の声を聴かせたい 3

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Aside 2023/10





壱馬「入るよー？」



A「おつかれさま」



壱馬「お、いつもとちゃうなぁ」



A「最近手抜きメイクでいたから
がっつりメイク久しぶりなんだけど
こんなだった？変じゃない？」



壱馬「すっぴん派やけど
メイクしたのもええなぁ

ちょっと待ってな
俺も久しぶりに見るから
こんなかわいかったか思い出す」



A「あ、模範解答でました」



壱馬「ほんまやって」





からかってみると
んふふって笑ってたのに
『やったな』って真顔で捕まえられて



『離れるにはチューして』って
強制チュー



そのあとの
『1枚着ないと夜寒いで？』
…今日もギャップにやられてる



2人ではまってる漫画の劇場版を
見に行って
感想を言いながら次の目的地へ



すれ違う人に『あれ？』って言われるのも
もう気にしない



バレたとき大変な本人が
『逃げも隠れもせん』って言ってるなら



私が気にすることないって思って
並んで歩くことへの抵抗はゼロ



それに
彼女の存在を隠す人が多い業界で



『なんで隠さんといかんの？
ファンの子に言えないような
付き合い方してない』って
純粋な疑問を持ってる壱馬の隣は
安心して歩けるのもいいところ



前も来たことのある
壱馬行きつけの激辛料理店で
料理が来るまでの待ち時間




A「お花届けたよ
写真見る？」



壱馬「おー、こんなん作れんの？
すごいやん」



A「壱馬の他にも
出してる人いたよ〜」



壱馬「風花ちゃん主演ドラマやから
送りたくてさ、嫌やった？」



A「仕事のお付き合いなら
気にしない」



壱馬「て言うと思ってたんやけど
彼氏が女性に贈るお花を
彼女が作るって
嫌やったかなと思ってさ」



A「全然
そんなの気にもならなかった
…普通の子はなるのかな」



壱馬「いや
Aがそう思ってくれてるなら
俺としてはすごいありがたい

理解してくれてありがとう」





理解してる自覚もないんだけどなぁ
頼まれたからやる、それだけ



お腹いっぱい食べてお店を出て
あの暗い階段をゆっくり降りると





「すみません

私、「週刊誌」の者です
川村壱馬さんですよね？」





ついにこの時がきた

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