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壱馬side 2022/12
A「壱馬くん…
私そんなにいい女じゃないよ」
壱馬「そんなん俺が決めることやろ
少なくとも俺は
いい人だと思ったから惹かれた」
A「…そ、っか」
壱馬「これからなんでも聞くから
そんな溜めたらあかんよ
あと、この関係は大事にしたいから
態度変えないで？
避けるのもなしやで？」
A「うん」
壱馬「避けたら俺のアタック
加速させるよ、ふふ」
A「ふふ、わかった」
壱馬「あ、『態度変えないで』って
言うたけど
俺のこと好きになるのは大歓迎」
困ったように『ふふふ』と笑って
俺の腕の中から離れた体
モゾモゾ動いて
何？と思って見てたら
長い袖から手出して
1番上まで閉めてるチャックを下げた
A「遊ぶ時間なくなっちゃうよ
これ、返すから行ってきな」
壱馬「ずっと一緒にいるから着とき
今は友達や言うてんのに
『壱馬くん』呼びしたから罰ゲーム
残り時間俺と過ごす」
冷たい手を避けて
半分まで下がったチャックを
また1番上まで閉めた
不服そうな顔に
思わず笑いそうになるけど
ここは我慢
この子は少し強引に行かないと
折れないってわかってる
A「そんなルール聞いてない」
壱馬「今作った
これからも気いつけないと
俺に得な罰ゲーム待ってんで、ふふ」
A「強引オオカミ」
壱馬「ふふ
それに、1人にしたら
また暗いところで泣くやろ？
そうはさせません」
A「もう泣きません」
集合時間になると
この1時間何もなかったかのように
平然とバスに乗り
慎の『何してたんすか待ってたのに』
には
『Aちゃんと流れ星見てた』
と返しておいた
『もう泣きません』のあと
スッキリした顔で空を見上げて
『今日なんとか座流星群だったね』と
言ったあと
2人で見上げてた
だから、この1時間は
8割話聞いてて
1割告白タイムで
もう1割は流れ星探し
慎、嘘はついてないから許してな？
俺の口からは話せない
深い事情があったんよ
メンバーは疲れて寝たのか
帰りは静かな車内
俺は考え事してて寝れなかった
『パパ、ママ、私頑張ってるよ』
そう夜空に向かって言った言葉と
思わず空から目線外して
見てしまった横顔に
流れてしまった涙は
バレないように静かに拭いた
今思うと俺の家に来たとき言ってた
『本当に涙出るぐらい美味しい
手料理っていいね』と言った言葉が
どれだけ重い言葉だったのか
気付かされた
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作者名：riku推し
| 作成日時：2022年8月24日 0時
