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壱馬side 2022/12
壱馬「A、俺友達が泣いてるの
ほっとけない」
A「聞かない方がいい」
壱馬「聞かなきゃよかったとか
思わんから話してみて」
A「そんなん分かんないじゃん」
壱馬「なら、話してみて
てか、話すまで逃がさんから」
A「…あのね、私親いないの
中学生の時交通事故に巻き込まれて
突然いなくなった
3人家族ですごく仲良くて
みんな好きなイルミネーションを
毎年見に行ってて…
ここにも毎年来てた
たくさん思い出があるこの景色と
イルミネーションが今は嫌い
命日より
犯人が乗ってた車種を見るより
どんな会話したか、とか全部覚えてる
イルミネーションが1番ダメ
1人で見たり、来たりすると
親がいなくなったって1番感じる
あの時は『きれいだね〜』とか
話しかけてくれたのに
今はいないから現実を痛感する
だから街の至る所で
目に入って思い出して
ここ最近気分落ちて
食欲もなくなって寝れなくなってた」
涙を堪えながら
俺に必死に伝えてくるAに
なんて言うのが正しいんだろ
でも、言葉を探してる間に
『ほらね聞かなきゃよかったでしょ？』
と言わせるのは避けたい
A「っ…」
壱馬「今日辛かったな…
ようがんばった」
今日は特別無理して頑張った体ごと
抱きしめた
押し返されるかなと思ったけど
Aの手が俺の背中に回ったから
それをいいことに
頭も抱え込んでもっと強く抱きしめた
壱馬「聞かせてくれてありがとう
聞かなきゃよかったなんて
全く思ってないよ」
A「ゔぅ…
話さないつもりだったのに…
同情しないでね…
かわいそうな子って思わないでね…」
壱馬「ん、わかった
誰にも言わないから安心して」
その強がりの性格は
『かわいそうな子と思われたくない』
から来てるってことか…
顔を上げたAの涙を拭いて
過去一近い顔の距離と
初めて見せた弱い面に
思わず見惚れる
壱馬「好き」
A「…ぇ……え？」
壱馬「強がるところも
弱い面も全部好き」
A「…え…好き？私を？」
壱馬「おん、Aが好き
…息して？固まってる、ふふ」
A「…待って
…頭が…追いつかない」
壱馬「ふふ 困らせてごめん
深呼吸しよかw」
A「…でも、私」
壱馬「玲於さんのこと
好きなのはわかってる
だから、片想い宣言
今振るのはやめて？
どんだけ本気かちゃんと見てから
俺を受け入れるか決めて？」
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作者名：riku推し
| 作成日時：2022年8月24日 0時
