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壱馬side 2022/11
背中全体でAちゃんを感じて
顔が近いこの体制にドキドキしてたのに
抱きついてた手離して
肩に手置いたから少し残念
靴擦れを利用して
好きな人を体全体で感じてるんやから…
俺にとって
すごい貴重な時間なんやから…
離れんといてよ
だから、Aちゃんの足を
しっかり掴んでから
ガクッと膝曲げると
俺の思惑どおりしがみついてきた
はぁ…満足
そんな幸せに浸ってる俺に
残り時間のリミットを知らせる
エレベーター音
壱馬「歩くから
ほんまに掴まっててな？」
A「うん」
壱馬「部屋どっち？」
A「右、707」
壱馬「707て、誕生日？偶然？」
A「誕生日にしたの」
壱馬「覚えやす」
1番奥の部屋について
デジタルドアロックだったから
おんぶしたまま目瞑って
Aちゃんが
手伸ばして番号を押す音を聞く
A「01250707だよ
ランペのデビュー日と私の誕生日
エントランスの番号は逆から」
壱馬「ふふ、それ言ったら
俺目瞑ってた意味ないやん
セキュリティー甘w」
A「壱馬くんに鍵もらったから
私のも教えないとさ？
これでフェアでしょ？
ドア開けるね」
昼間渡した鍵は
一旦俺の元に帰ってきたけど
Aちゃんに
持っててもらうことにした
緊急で俺の部屋入ることが
これからもあるだろうし
預けても安心だし、信頼できる人
そんなことがあったから
自分も、って番号教えてくれたんだと思う
俺みたく鍵やったら返せるけど
番号は返すとかなくて
記憶力のいい俺の頭の中に
ちゃーんとインプット
俺が酔った勢いで
入り込んだらどうすんねん…
と思いながら足を踏み入れた
壱馬「お邪魔します」
普段Aちゃんの香水とは別に
香る柔らかい香りがする玄関に
ゆっくり降ろして振り返ると
床に座り込むAちゃん
壱馬「頑張ったな」
A「壱馬くんのおかげで
これぐらいで済んだよ、ありがとう
…ちょっと待ってて」
壱馬「おん」
靴脱いだからもう普通に歩けてて
奥のドア開けて消えて
戻ってきて渡されたのは
ペットボトルの水
A「疲れたしょ？
いろいろありがとう
今度ちゃんとお礼するから
今はこれで許して」
『お礼はこれで十分』て言って
ドアを閉めた
軽い背中…
寂しい帰り道やな…
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作者名：riku推し
| 作成日時：2022年8月24日 0時
