作る私と着る慎 4

4-32. ページ32

慎side 2023/2





力矢さんの電話の内容話すと
『本当にいいの？』って俺と同じ反応





慎「ずっと我慢させてごめん」



A「…っ」





目が潤んできたなって思った時には
もうあっという間に涙が流れてて



大丈夫だと思ってたけど
全然大丈夫じゃなかった





A「ごめっ…
やっと終わると思ったら
涙出てきた…」



慎「辛かったよね
気づかなくてごめん」



A「正直ね…
今日のは結構くらった」



慎「思ってること言ってみ？
ちゃんと吐き出さないと
A壊れちゃう」





ちゃんと聞こうと思って
脱衣所からソファーに行こうと



手引っ張ったけど
Aはその場から動かなくて





慎「A？」



A「なんかね、嫉妬はするけど
言いたいこと我慢してるのとは違うの」



慎「どーゆーこと？」



A「色々嫌だったのは
間違いないんだけど

まこは私の彼氏だし
帰る家は同じだし
指輪は私とペアだし

香さんに負けてることなんて
1つもないなって考えてたら
消化されてどーでもよくなる」



慎「…でも泣いてたじゃん？」



A「ほっとしただけ！
チューしてくれたらもう解決！」





繋いでた手が引っ張られて
Aの方に一歩



俺の肩に手乗せて背伸びして
ほっぺた膨らまして
唇んーってせがんでくる彼女



いつも俺がやってること
やり返されたなーって思ってたけど



身長差があるから
俺にキスできないらしい
…残念だったねw





慎「待って、かわいすぎ」



A「とーどーかーなーいー」





抱っこして
Aの方が高くなると
ニコって笑ってあたる唇



離れたあともニコニコ見下ろされて
ふふふって声も漏れてて満足そう





A「も〜
まこからしてほしかったのに〜」



慎「今満足げだったのに
不満かいw」



A「ふふふ
色々頑張ったのでご褒美ください」





いつの日かAが韓ドラ見てる時
目隠しながら足バタバタさせて
『ギャー！』って叫んでるから
何事かと画面見ると濃厚なキスシーン



『やばい！見れない！』と
独り言言いながら
共感性羞恥発揮してたの思い出して…



床に降ろしたあと
腰抱き寄せて、首に手添えて
その濃厚キスキーンを再現



笑って泣いて笑って
仕事だけじゃなく
感情も忙しかった1日にご褒美

4-33.→←4-31.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す