手を差し伸べた彼３

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陸side





Aは今日レコ室で歌ってみた動画の
最新曲のRECしてるから
撮影終わりに事務所に寄ってみた


レコ室行ったらAはいなくてジムかな？


…いたいた


体幹してるところに顔出して
キラッキラのスマイルもらいました




陸「そんなに会いたかったの？」


A「陸はそんなに会いたくなかったの？」


陸「今すぐ抱きしめたいぐらい会えて嬉しい」


A「今はダメ！汗やばい！」


陸「もしかして無になりたい感じ？」


A「うん、なんで分かったの？」


陸「追い込んでるから
　 ボクシングしよーかー？」


A「する！」






ミットはめたら 倒れるまでやる！って
意気込んで始めたけど
本当に倒れるまでやるな！





陸「立てる？」


A「あー！ストレス発散したー！
　 気持ちー！」


陸「帰れますかお嬢さん」


A「看病してくれるんですかお兄さん」


陸「ボクシングハマってんね」


A「他のこと忘れて集中できるし
　 すごい楽しい！」





楽しい…
Aにとってトレーニングは
ストレス発散の１つ


だから、鍛えるためではない


この日以降ジムに行く日は
ギリギリまで追い込んでるらしい


ジムに行った人からの目撃情報が
俺に集まってくる


アーティストよりハードなメニュー
こなしてるらしいし
それほど大きなストレスを抱えてるんだと思う


だって、Aにとって運動は
無になれるストレス発散方法だから





龍友「あれはなんや」


陸「最近追い込むんですよね」


龍友「あいつがあーなる時は
　 良くない予感がするな」


陸「話してくれるの待ってるんですけど
　 そろそろタイムオーバーなので
　 聞き出します」


龍友「それがええと思う」




トレーニング終わりにAの家まで
送る間に聞いてみた





陸「悩み聞くよ」


A「っ…気づいてた？
　 実は会社にしつこい人がいて…」


陸「…もっと早く言ってよ
　 ようは、会社の中にしつこい男がいて
　 困ってるってことね？」


A「ごめん。何回もご飯誘われて
　 何回も断っててそろそろ疲れてきた」


陸「疲れる前に言って？」


A「12月までの我慢だと思って…」




12月までずっとあのトレーニングで
ストレス発散して乗り切ろうと思ってたの？
無謀な考えすぎないかい？(苦笑)

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