手を差し伸べた彼３ (ページ48)

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Aside 2022/10

A「お先に失礼します」

「「おつかれさま〜」」

スマホを開くと8時過ぎとLINEの通知

壱馬カフェにおるから終わったら教えて

まずいまずい！！
8時に終わるって伝えてたから
待たせちゃってる

エレベーターのボタン連打して
待ってる間にLINEして
ロビー走って会社の裏に着くと

壱馬「そんなヒールで走ったら危ないやろ」

A「待たせてごめん」

壱馬「全然ええよw
　転ばんくてよかった」

A「ほんとごめん」

壱馬「ええってw
　うまいカフェ見つけたからよかった」

個室の料亭に入って
一通り料理が来たら本題へ

壱馬「杏のことなんやけどさ
　会ったことないよな？」

A「うん、ない」

壱馬「モデルやってて、撮影で出会って
　俺から告白したんやけど

　段々すれ違いが多くなって
　ちょうどお嬢と出会った頃に別れてん」

A「うん」

私が初めて行ったランペのコンサートの時
様子が変だと思ったら別れてた

そして、事故で入院してる時も
様子が変だと思って聞いたら

私が元気になってから話すと言われてて
今日やっと都合があった

壱馬「この人と結婚するって決めて
　付き合っててんけど
　結果は上手くいかんくて」

A「もう一回付き合いたいの？」

壱馬「いや、それはないかな
　もう好きって感情はない

　ただ、悲しませて申し訳ないなって…」

A「そっか…壱馬くんの心の整理が
　ついてるならよかった」

壱馬「まあ、もう…別れて半年ぐらい経つし」

A「んふふ」

壱馬「なに？w」

A「モテ男でも
　恋愛ベタだなーって思って」

壱馬「それ言うなよw」

A「ホイホイ手出す人よりは
　全然いいと思うけどね」

壱馬「するわけないやんw
　なんかさ…心の整理はついてるけど
　話聞いてもらいたかったんだよ

　付き合い直したいわけでもなく
　どーしたいってこともないんやけど

　聞いてもらって楽になった
　お嬢がいてくれてよかったわ」

A「私でいいならいつでも付き合う」

壱馬「似たもん同士やし、信頼できるし
　数少ない女友達やから頼むわ」

A「はーい
　これすごく美味しい」

壱馬「それはよかった」