その男、非・人間

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「ドンマイ」


教室に入ってすぐにかけられた言葉


そんなこと分かってる


掃除当番でしょ？


はあ、今日は家でゆっくりしようと


朝から思ってたのに


私は、ブツブツ言いながら


席についた


ん？あれ？


なんかおかしい


私の隣の席って


たしか、開いてたよね？


どういうこと？


イケメン？


ていうか、転校生？


ということは、イケメン転校生？


にしては、めっちゃみんなとしゃべってるし、


前の吉澤ちゃんに


横の人を指さしながら


声をかける


「ねえ、吉澤ちゃん


この人誰？」


「え？なに言ってるの？


誰？って、拓弥くんに決まってるでしょ」


はい？決まってる？


え？知らん


こんな人私知らん


朝から、意味のわからないこと続きで


頭がパンクしそうだ、


うお、


拓弥...くん？


がこっち向いた


『あ、おはよA』


なんで名前知ってるの？


「お、おはよう」


動揺しているせいか


思わず噛んでしまう


するとまた


遅刻の原因となった


あの甘い香り


あ、分かった


「朝、ぶつかった人だ！」


思っただけだったのに


思わず、声に出してしまった


それも、このうるっさい


教室でも、半径一メートルぐらいは


十分聞こえる声で


『朝ぶつかったのお前だったけ？』

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