お見通し ページ11
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そうして、御前様が握っている私の手を、じっと見つめて呟きました。
「まぁ、こんな小さな絆創膏…。気づかなかったわ…」
「田中」
御前様の落ち着いた声。
「はい！御前様！」
「Aを、あまり叱るなよ。それよりお前は、先ほど何か勘違いをしたであろう？」
「あ…、いえあの、…重ねて申し訳ございません。御前様は…、Aの怪我のこと、お気づきだったのですね？」
あぁ、そうなんですね。
御前様が最初に私の手を取ったのは、私の指の怪我を確認しようと思ったからなのですね。
私は…、私は、本当に浅はかなメイド見習いです。
「…使用人はあくまで使用人だ。それ以上にはならない」
御前様は、そうはっきりとおっしゃいました。
「はい。出過ぎた真似をいたしました」
「うむ」
それではもう一度着替えるとしよう、と、御前様はすっとお立ちになりました。
「A」
「はい」
「怪我が治ったら、リベンジだぞ。私にお茶を運んでくれ」
「は、はいっ！」
私の握っていた手を、優しくもう一方の手で包み、それからそっと離されました。
「田中。ローズティーを今度は私の部屋へ持ってきてくれ」
「かしこまりました」
山本さんを従えて、リビングを後にする御前様を、私達は深々とお辞儀をして見送りました。
どんな小さな変化も見逃さない。
常にアンテナを張り、周りを観察することを怠らない。
でもそれは、御前様にとっては当たり前のことで。
御前様を欺くことなど誰にもできないのです。
御前様は、完璧なご主人様。
すべてはご自分のファミリーを守るため。
彼の方は、どこまでも聡明で、お優しい、尊敬すべき御方なのです。
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私は、ほんの少しだけ田中さんにお説教されましたが。
怪我に気づかなかった自分にも大いに責任があると、田中さん自身も反省されていました。
「だから御前様は、いつもよりテーブルから離れて、座ってらっしゃったのね」
前もって危険回避されているなんて、さすがだわ、と感心しきりの田中さんは、またさらに御前様への尊敬の念を深くしたようでした。
「御前様がAさんをどうにかするなんて…そんなことあるはずがないのよ」
そう確信もされたようで。
だから、安心して大丈夫よ、と私の頭を撫でてくれました。
この時、私も田中さんも、実はまだまだ御前様の本当の考えを分かっていなかったのです。
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もここ(プロフ) - さっこさん» さっこさん♪えへへ。それほど謎はないのですけど、たぶん設定を書ききってないだけなのよ。次は、ちょっと、らぶ度、高めで書いてみまーす♪ (2018年1月7日 0時) (
レス) id: 291e1a6df4 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - もここさん、こちらにもお邪魔しました！なぞかさたくさん過ぎてこちらの続編も期待しちゃいます(^^) (2018年1月6日 10時) (レス) id: a26bed1aa4 (このIDを非表示/違反報告)
もここ(プロフ) - ゆみなさん» ゆみなさん♪こちらにコメントありがとうございます！ねー、ほんと御前様の続編見たいですよね〜。そして名前変換でＮちゃんに…私もチェックする時Ｎちゃんの名前入れちゃってます！Ｎちゃんはなんでも演じられそうなのでいけますよね。うふふ。続編も遊びにきてね〜♪ (2017年12月29日 0時) (レス) id: 291e1a6df4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみな(プロフ) - たとえNLでも、ついついお名前変換で黄色いあの子にしちゃうんですよねー(笑) もここさんのお話読んだら、また御前様に会いたくなっちゃいました！続編やってくれないかなあ。。 もちろん、もここさんの続編もウキウキでお待ちしてますので、よろしくお願いします〜(^^) (2017年12月25日 21時) (レス) id: 946fd4db13 (このIDを非表示/違反報告)
もここ(プロフ) - まぁこさん» まぁこさん♪コメントありがとうございます！おひさしぶりですー。えへへ、絵を描くのも好きで。というか、絵を描く方が本当は好きかも。気が向いたら、また載せちゃうかもです。また遊びに来てくださいねー♪ (2017年12月23日 23時) (レス) id: 7d6bdd40e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もここ
作成日時：2017年12月11日 10時
