この“世”の醜さ、美しさ【呪術廻戦】

You let me know ページ46

悟｢ねえ、そういえばさ、なんで髪黒く染めてんの？絶対白い方がいいって、｣


『んー？なんとなく……甚爾さんとお揃いがいいから？』

悟｢僕に聞くなよ、僕と一緒は嫌なの？｣


……答えにくいのを聞いてくるな……なんか拗ねてて可愛い


『そんなことは無いよ、そうだよね……髪染めると髪が痛むし……染めるのやめよっかな…』


そうぽつりと零すと


悟｢それがいいと思うよ、あいつとお揃いにする必要はないと思うし｣


そう悟が言った


『え？何、悟。甚爾さんのこと嫌いなの？』

悟｢うん｣


『即答………』


いや、本当のこと言うのはいいんだけど


ズバッと言われるのは……ね、



………




20分後


悟｢ここ、｣


『ここ？』


とある住宅地に連れてかれた


悟｢うん、ここ、って、いるじゃん｣


そう言っておーい、と別の方を向いて手を振る


男の子がこちらをムスッとした顔で見ている

悟はその男の子の元へ歩いていってしまう


『ちょっ、悟』


俺はその後を小走りで追う



男の子｢なんでいるんだよ、しかも知らない人増えてるし、｣


そうぽつりと愚痴をこぼす


悟｢ん、あぁ、こっちは俺のお兄ちゃんのA｣

『……お兄ちゃんって言い方、少し気持ち悪いな、悟。……えっと、初めまして』


ここで初めて彼と目が合う



声が震える







……すごく似てる



甚爾さんと、


おれは自然と涙が出てくる



男の子｢なんで、泣いてるの？｣


トコトコと俺の前に歩いてくる




『ごめ……、なんでも、ない』



男の子｢大丈夫？｣



くぃっと服の裾を掴まれる


『うん、大丈夫だから、』




優しい、あの人みたい



甚爾さん、なんでこんないい子を見捨てて、俺を拾ったの？


俺が呪力がないなら？


実際、俺には呪力があった




俺は、



俺は何？



この子の親を独り占めにして、


甚爾さん、





なんで、なんでよ…

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