この“世”の醜さ、美しさ【呪術廻戦】

ZERO ページ1

俺は五条家で生まれた


俺“達”は双子だった


母親の腹からすこしだけ早く生まれた俺が兄でその後に生まれた“悟”が弟。


だが、兄である俺は呪力を全くもっていなかった
その代わりに、弟である悟が膨大の呪力を持っていた



医者が言うには母体の中で呪力の偏りがあったとか、なかったとか



家は長男が継ぐものである

それが普通であり、当たり前だった


だが、俺の場合そうではなかった

呪力を持たない兄に、膨大な呪力を持ち、天才と呼ばれている弟。


邪魔なのはどう考えても俺だった


俺は幼い頃から暗い地下牢に閉じ込められ
人と関わることも、ほぼなかった

弟とも自我が芽生えてからは1度も顔を合わせていない


なんで、俺を殺さないのか不思議で仕方がなかった


・

・

・


数日後、俺はとある場所に売られることになった



その時、初めて俺に向かって父親が口を開いた



「こんなゴミ、ようやく居なくなって清々したよ。もう2度と五条家の敷居をまたぐな」


俺は何もしてない、“兄”という立場だって欲しがって手に入れたわけじゃない


少しだけ先に産み落とされただけなのに


俺が弟だったら少しでも変わったのかな






売られて家をでる時、数年ぶりに外に出た俺は空を見上げる








その空は






青い


あおい



蒼い


アオイ





雲ひとつなく
透き通っていて







とても

綺麗だった

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