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幸せな敦とは真反対の日々。孤児院の頃からなんに変化もない暴力の日々。あの日々を思いだし、敦は思わず身震いし、そして胸が痛んだ。
犀星は正義感が強く、敦をよく守ってくれていた。
(今まで守ってもらったくせに、僕はここで見捨てて良いのか)
犀星に守られ太宰に救われたという事実が敦の心に問いかける。
犀星の異能は人を精神的に食い殺すことができる。もしそれをポートマフィアのような組織悪用されてしまったら？��35人殺し�瓩糧狃�のように、光に生きることさえ許されなくなってしまったら？
正義感の強い彼は、彼女よりも簡単に壊れてしまうのは目に見えている。
「アザはなかなか消えないんだよなぁ。
なんかもうトレードマークというか… って、敦？」
「え？あぁ、ごめんね。ちょっと考え事をしてて…」
「やーっと私を思い出したかい？敦君。
云いたいことはわかるよ。社長に尋ねにいこう。」
今まで助けてもらったのだから、多くの人に支えてもらったのだから。
そういう感情が敦の中で一つの結論になる。
「行こう、犀星くん!」
「き、急にどうしたんだい!?と云うか何処に?!」
「異能者の集う『武装探偵社』さ。
あそこならきっと暴力沙汰になっても守ることができる。
悪いのは向こうな訳だからねぇ」
「えっえっ!?善いんですか?!
もしよろしければ自分の友人も良いですか。
彼女も、その、虐められてるんです。」
「あぁ、良いとも。
彼女も一緒に社に行こうじゃないか。」
「わぁ!!あ、有難うございます!!!」
路地裏で犀星と肩を組み、勝手に話を進めていく太宰の
(でも、何でだろう)
敦は太宰の表情に疑問を抱く。
いつもとは少し違う印象を抱く笑顔。
「……そんなことないよね」
不安や焦りに似た疑問を無理矢理抑えて、光の眩しい表通りへと足を踏み出した。
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『太宰ぃ!!!!!!
遅れてくるだけでなく2人も!!新人希望だと!!!?
お前は!どれだけ！！俺を！！！』
((……やっぱり))
『むぅ、禿げるよ？国木田君』
((またこの人は、怒らせるようなことを…))
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作者名：木戸 凛々 | 作成日時：2018年4月24日 1時
