第四話 tn視点 ページ5
なので突然現れたあの人物は、バリアを難なく潜り抜け、木の根元で寝こけていたことになる。
瞬間移動でもしたみたいにカメラに突然映り込んだ彼を、態々自らがしょっぴきに行ったのはそう言う理由もあった。
…だが、いざ会ってみれば如何にも無害そうな存在で、至近距離まで近寄ってもピクリとも起きない。
目覚めてから幹部の俺を見ても特に大きなリアクションはせず、普通に慌てたように無防備に起き上がって、キョロキョロ周囲を見渡していた。
勿論演技かとも疑ったが、ゾムに会う前にわざと隙を見せてみても一向に俯いたまま反応しない。
何が何だかよく分からず、されどこのまま放っておくわけにもいかず。もしも本当に外国からの客人であれば、まさか牢屋に突っ込むなど手荒な真似はできない。
とりあえず迷子ということにして、応接間に放ってきたが…監視室のロボロからも、今のところ特に報告はない。彼も困惑している気配が通信機越しに伝わってきていた。
…まあ要するに、扱いに困ってるのだ。なんせ言葉も通じないようだし。
そこでエーミールだ。
彼は軍人になる前はごく普通の一般人として教鞭を取っていたからか、雰囲気は他の幹部たちに比べ柔らかく、なんとなく親しみやすそうなものになっている。
足で情報を集める調査の時などはうってつけで、オマケに博識。故に国外であっても難なく活動ができる優秀な人材だ。
もしも応接間に待機させている彼が、本当に国外からの人物であれば、エーミールを通せば無事にやり取りができるだろう。そう考えての判断だった。
「…とりあえず、お話はわかりました。通訳ですね、じゃあちょっと資料を持っていくので待っていて頂いても？」
「おう、頼むで」
短くそう返すと、エーミールは腕に抱えていた他の本と一緒に別の本棚へと消えていった。
そして数分もしないうちに、「お待たせしました」と今度は一冊の分厚い本を抱え戻ってくる。
「…なんやその本」
「世界中の言語で、簡単な例文などが載っている…まあ教科書みたいなもんです。あんまりマイナーな奴は載っていませんが…」
お役に立てると思います！と意気込んでいる彼をみて、おうそうやな、と空笑いを返すしかできなかった。
＊＊＊
今回は短めでした。関西弁難しいですね。
次から夢主くん視点に戻ります。
ワ…ワァ…100hitありがとうございます…………ワァ…………(涙)
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
