第三十九話 ページ40
自己紹介をした後、僕はエーミールさんに向かって首を傾げた。
さっき別れたばかりなのに、何故ここにいるんだろう？と。何か僕に用事があったのかしら。
そういう思いを込めて見つめていると、エーミールさんは思い出したようにジェスチャーを始めた。
ノートを指差し、次は自分を指差して、手招き。
これが欲しいのかと疑問を抱きつつ差し出すと、ホッとした顔で受け取ってくれた。どうやら正解だったらしい。
『なんや、俺がおる必要なかったな』
『いえいえそんな事ないですよ！こうしてね、顔合わせもできましたし』
また2人で話している。僕は絵本を抱えたまま、頭上の会話を聞いていた。内容は勿論分からないので、興味のないジャンルのラジオを流している感覚だ。うっかりすると寝そうにもなる。
すると不意に、エーミールさんがその場でノートをぱらぱら開き始めた。
それを横からこねしまさんさんが覗き込み、また何かを喋る。
『コレがロボロが騒いでたやつか、全然読めへんな』
『そうらしいです。後で彼に渡しに行きますね』
『おん』
「？」
『あ、ご心配なく！用が済んだら返すからね』
なんて？？取り敢えず曖昧に首を傾げておいた。
この流れ此処に来てからもう何十回とやってる気がする。昨日来たばっかりだけど本当に。そうしてる間にもちっともわからない会話をしているし。
誰か、自動翻訳とかしてくれる機械とか作ってくれないかな…とこっそり心の中で溜息を吐いていたら、く、とエーミールさんに肩を掴まれた。
え？と思う間も無くくるりと方向転換され、そのまま背中を押されて歩き出す。
まるで玩具の兵隊みたいにギクシャク歩きながら、おどおどとエーミールさんを見上げた。
『じゃあコネシマさん、また後で！』
『おー、気ぃ付けてけー』
ひらひらとこねしまさんさんが片手を振り、くるりと向こうを向いて歩き出す。
エーミールさんは相変わらず僕の背中を押したまま、そして僕は押されるままに、軈て今朝の部屋に辿り着いた。
案内してくれた？それにしては随分強引だったような…？
『ふー、危ない危ない…また説教されるとこやったわ。話長いんよなコネシマさん』
「？？」
『あ、ごめんな、吃驚したよね急に。』
ぱ、と僕の方から手が離れる。ノートは依然としてエーミールさんが持っていて、返してくれる気配はない。
そこで僕はピンと来た。
…もしかして、僕の言語を知ろうとしてくれている？
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
