第三十八話 em視点 ページ39
「た、大変申し訳ありません！客人に対して失礼な真似を…！」
「良いんですよ、此方こそ伝達漏れがあったようですみません。」
勢いよくコウくんと我々に頭を下げる兵士。私は急いで顔を上げるように促し、その心掛けは立派や、とコネシマさんは頷いていた。コウくんはイマイチ状況が飲み込めていないのか、やや困った顔をしている。
まあ確かに、不審者を見かけたら声をかけると言う選択は强間違いでもない。此処は国の本拠点なのだから、誰だとしても不法侵入を許してはならないのだ。例え蟻1匹でも。…目の前でオロオロしている少年は少々特殊だが。
と、そこで違和感に気が付き、おや、と首を傾げる。
「そう言えば、貴方一般兵ですよね？何故幹部棟に？」
「へ？あ、その、幹部の方に書類を届けた帰りでして…」
「なんやお前、チーノんとこの兵か」
「そ、そうです」
チーノさんは諜報部隊の隊長だ。彼に課された任務の報告、といった所だろうか？
成る程と相槌を打つと、ではこれで失礼します、と兵士が敬礼する。
それに敬礼を返そうとしたら、横からコネシマさんが「手の角度はもうちょい上やで」と口を挟んだ。
「は、すみません」
「おう、気ぃつけぇや。トントンにどやされるで」
今度こそ完璧な礼をして頭を下げると、彼はそそくさとその場を去っていく。
それを見送ってから、コウくんに視線を移した。
「まあ、間に合ってよかったわ。怪我とかしてへんよな？」
『え、エーミールさん。ありがとうございます…』
「うん、今のは“ありがとう”かな？ええよ、うちの兵がごめんなあ。」
「正確にはチーノの、やけどな」
『あッ、空色の人』
「あん？なんて？」
「あれ、そういばお2人はまだ面識がなかったですね」
「いや、一度会っとる。名前は知らんけど」
昨日ぶりやな、とコネシマさん。コウくんはぎこちない動きでぺこりと頭を下げる。
その何処か不思議そうな顔に首を傾げつつ、取り敢えず彼のことを紹介することにした。
「コウくん、此方コネシマさん。ウチの幹部の1人やで。」
『くぉ、こ、ねしぁ？』
「コネシマや。お前が保護対象のコウやな？」
じっとコネシマさんの空色の目が、彼よりも低い背の少年を見つめる。
相手の方は少々居心地が悪そうにしていて、けれどやがて『コウです、宜しくお願いします』と頭を下げた。後半何を言ってるのか分からなかったが、自己紹介したんだろう。
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
