第三十話 rbr視点 ページ31
「一応トンちから連絡は来とるで。名前なんて言うん？」
「コウや」
「ロボロには聞いてないて」
「なんやと？」
軽く睨むが、まるで気にした様子はなく話しかけ続けるシャオロン。
「俺シャオロンっていうねん。よろしくなー」
『しゃ、ァお？』
「うわ喋った。しゃ、お、ろ、ん。」
『シャオ、ロン』
「そうそう、んでこっちのチビはロボロな！」
「誰がチビやねん！！」
『ろ、ろー…？』
「ろ、ぼ、ろ！」
『ろ、ゔぉろ？ぼ？ろ。』
「チビでもええで」
『ちび？』
「なんでそっちは一発で言えるんや！！」
ゲラゲラ笑い転げるシャオロン、俺の大声に怖がるように首を竦ませるコウ。
軽く溜息を吐いてから気を取り直し、「ロボロや」と短く改めて自己紹介した。
すると向こうもおずおずとこっちを見て、自分の名前らしきものを名乗る。それはまるで聞き取れないぐにゃぐにゃした音で、その言葉は俺の頭を悩ませているあの怪文書達を連想させた。
それから、ぱっ、と食堂に来るまでに考えていたことを思い出す。
「エミさん、そういやコイツの言葉わかったんか？」
「いえそれがー…そのー…平仮名と片仮名、あと簡単な言葉を教えるので精一杯で…」
と、もごもご申し訳なさげな返答をするエーミール。いやそれ十分ちゃうか？と思っていると、同じことを感じたらしいシャオロンが驚いたように目を丸くした。
「もうそんなに覚えたん？」
「言葉と言っても、私たちの名前くらいですけどね。もう少し意思疎通ができるようになったら、たくさん教えたいと思います。」
「いや、解読に協力してくれ…」
ふんすと意気込むエミさんは、軍の参謀というよりもただの教師みたいに見える。
あれやこれやと席についてもなお話している俺らを眺めて、コウは何故かにこにこと笑っていた。
「なんか嬉しそうやな。」
『エーミール、さん』
「！はい、なんでしょう？」
『えっと…ごはん、たべる、何言う？』
「？えっと…」
『あ、僕の言葉で言っちゃった…』
「ええっと…これは、お米。白飯とも言います。」
『しろ、めェし？』
「そうです。ご飯、でも、ライス、でも通じますよ。」
『ごはん』
メニューを一つ一つ指差しながら、言葉を教えていくエーミール。それを真面目な顔でふんふんと聞いて、必死に覚えようとしている少年。どちらもそれなりの年齢だからか、それともやたら真剣な表情だからか。なんだかちょっと、シュールにさえ思える光景だった。
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
