第二十二話 tn視点 ページ23
「そうか。邪魔して悪かったな」
「いえいえ、いつでもいらしてください。…コウくんについても、此方でできるだけ調べておきましょう。」
「頼むわ。」
じゃあの、と軽く挨拶してから図書室を出る。
資料のファイルをパラパラと捲りながら廊下を歩いていると、曲がり角の向こうから何やら騒がしい声が聞こえてきた。
…この声は…コネシマやな？何やら揉めているようにも聞こえる。
ぱたんとファイルを閉じて早足でそちらへ向かうと、予想通りコネシマと、予想していなかった人物がそこに居た。今は客室にいるはずの彼だ。
何故ここに、と目を丸くすると、此方に気がついたコウがぱっと半べその顔を輝かせる。
そのまま腕を掴んでいたコネシマの手から抜け出すと、慌てた様子で素早く俺の陰に隠れた。
「…何してんねん、シッマ」
「何もしとらんわ！ウロウロしとったから客室に連れてこうとしただけや！！」
「うるさ。ボリューム下げろ、何時やと思っとんねん」
耳を抑えながら顔を顰めそういうと、ぱ、とコネシマの口が閉じる。若干気まずそうな表情をしつつも、何があったのかを尋ねるとあっさり答えた。
「トイレから出てくるのを見たんや。そっから尾けとったんやけど、あっちこっち見当違いの方行きよって。せやから案内したろ思たらビビり始めてん。訳わからんわ」
「お前声でかいし、それで怖がられたんとちゃう？コイツ結構ビビりやで」
「マジか」
「あと、方向音痴のお前がやっても辿り着かへん」
「客室の場所くらいわかるわ！！」
「シッマ、声」
「あ、すまんすまん」
…意図的に逃げ出そうとしたのを捕まえたとかじゃなくて良かった、と言うべきか。幻覚の耳がぺたんこになっているコウの頭をチラと見てから、あとコイツは言葉通じひんねん、忘れたか？と続けた。
「……せやったわ…」
「…さては話聞いてへんかったな？」
「いやー、トントンが保護するって後はもう何も！」
「お前…お前なぁ……」
でもまあシッマが話を聞かんのはいつものことやしな……と切り替えてから、じゃあ「コイツは俺が送り届けるわ」と言った。
「おう頼むわ」
「シッマも部屋戻ったら寝るんやぞ」
「それはトントンの方ちゃうか？」
けらけらと笑い、去っていくコネシマ。そっちは幹部の部屋とちゃうぞ…とは思ったが敢えて口には出さず見送った。
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
