第二十一話 tn視点 ページ22
「エミさん」
「あ、トントンさん。」
お疲れ様です、と軽く会釈され、おうお疲れ、と返す。
お仕事はええんですか？と聞かれると、資料を見にきたんやと答えた。
「なるほど。どの資料です？」
「一昨年と去年の予算の___」
手短に伝えると、ちょっと待ってて下さいね、という言葉と共に、図書室と繋がる資料室へ消える。
やがて二冊のファイルを持ってきて、お待たせしました、と手渡してくれた。
礼を告げながら受け取り、そういやエミさん、と気になっていたことに話を移す。
「夕飯おらんかったやん。ちゃんと食べたんか？」
「あぁ、まあ、ええ。一応頂きました。」
気になることができてしまって、とはにかむ様に笑うエーミール。さてはコウについてやなと若干茶化す様にしつつ尋ねると、あっさり頷かれた。
聞けば長々と話してくれたが、要するにさっぱりわからなかったのが悔しかったのでこうして調べているのだと。
応接間に持っていった本以外にも一応外国語について書かれた本はあるらしく、それを片っ端から読んでいるらしかった。
「ほーん。で、なんか成果あったんか？」
「いえ…それがその…」
ちっともありませんでした、と、少し肩を落としつつへらりと笑う。
まあそれはそうやろうな、と何故か頭の片隅で思いながら、まああんまり気ぃ落とすなよとだけ言葉を掛けた。
「ロボロ曰く、スマホにあった写真もどこも一致する画像がないらしいわ。明日か明後日になればわかるかもしれんけど…」
「α国のことがありますからねえ…」
「やな。もうちょい先になると思うで」
たった1人の子供、それも見るからにひ弱そうな存在ひとりにそこまで割く時間はあまりない。もしもα国が本格的に動き出したりなんかしたら、尚更だろう。
…そういえば、コウについて聞きたいと思っていたことがあったんだった。
夕食の時他のメンバーに話そびれたが、あの場面を見たエーミールならば真面目に取り合ってくれるだろう。…いや別に他の面々が不真面目とかそう言うわけではないが…
「エーミール」
「なんです？」
「コウのあれ、どう思う」
「あれ…とは？」
「応接間のやつや」
あぁ、と唸る様に返事をしつつ、開いていた本を閉じる。
顔を少し顰め少し考えた後、「私には、なんとも」と短く返された。
まあそれはそうだ。アレは人間の外側を持っていたが、中身は明らかに異質のもの。
今言えるのは、其れだけだろう。
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ニノ(プロフ) - みずきさん» コメント有難う御座います。実は第七話にてエイリアンネタを入れるつもりでしたが、没となりました。勿体無くて消せておりません。面白いと言って頂けて嬉しいです、そして応援ありがとう御座います！多忙の身故、細々とですが続けさせて頂きたく思います。 (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
みずき - わぁ、夢主くんがエイリアン？なの初めて見ました！めちゃくちゃおもろいです！応援しとります！頑張ってください！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page35 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノ | 作成日時：2022年9月14日 1時
