死の間際 昌平君 ページ11
「明日の朝、ここを出るから。」
今も昔も私が愛してるのは貴方だけ。
昌「なんだ、急に。」
貴方だけに抱かれて、私だけを抱いていて欲しかった。
「ずっとそう思ってたわ。」
でも、貴方は違った。
昌「なぜ今俺に言おうと思った。」
小さな村で貴方が私を拾ってくれて、
「ここにいる意味を見出せなくなったから。」
恋に落ちて、結ばれて幸せだった。
昌「腹の子のことか。」
ほんの小さなことだけど、
「よくわかってるじゃない。」
貴族だもの、仕方のないこと。
昌「あれは、お前のせいじゃない。」
他の女を抱いてた。
「そうね、貴方のせいかも。」
精神状態の不安定だった私には十分すぎるストレス。
昌「出ていくな。」
流産となった。
「無理。」
以後、宮中では噂が飛び交い、
昌「頼む。」
体調を崩した私は、医師の元へ。
昌「どこにも行くな。」
末期状態の腫瘍が見つかって、余命宣告。
「出ていくって言ってるのよ。」
あなたには言ってないから、きっと知らない。
昌「どこへいくつもりだ。」
死ぬときは、貴方に看取ってもらいたかったけど、
「故郷。」
残された貴方はきっと、仕事のしすぎで体調を崩す。
昌「そこまで戻るのか。」
悲しむ顔も見たくないし、
「当たり前でしょう。」
それなら、私から離れようと思って、
「故郷なら、貴方が気軽にこれないと思って。」
昌「時間がかかりすぎる。」
故郷着くまでに死んでしまうかもしれないけど。
「行軍ほどのスピードじゃないから1ヶ月弱はかかるわね。」
早馬でもきっと、2、3週間はかかる。
昌「ここに残る気は？」
「微塵もない。」
昌「そうか。」
情報の伝達は遅いほうがいい。
昌「では、最後まで伝える気がなさそうだし、
会えなくなるだろうから、俺からも、伝えておこう。」
「子を殺したも同然の男が、
妻の末期腫瘍の原因であるこの俺が、
何をほざくかと言われるかもしれないが、
俺は今も昔もこれからも、お前だけを愛している。」
ああ、痛い。
体の奥が痛い。
「気づかなくていい事なのに、」
目の前が真っ白になって、
「愛してる。」
何もわからなくなった。
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ここ - めっちゃ癒されます！紫詠で書いてほしいです！ (2022年6月10日 22時) (
レス) id: 8118ed07e8 (このIDを非表示/違反報告)
高木さん - 蒙恬とほうめいで胸キュン描いて欲しいです (2021年9月23日 13時) (レス) @page17 id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - リクエストで昌平君描いて欲しいです！ハッピーエンドで (2020年10月15日 10時) (レス) id: 4556abf82f (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - 了解です、承りました〜！！李牧様は少し時間がかかるかもしれませんが、ご了承ください、！ (2020年8月22日 9時) (レス) id: b971fdcaf0 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - いつもとっても楽しませてもらってます^^*リクエスト可能でしたら、戦から帰ってきた李牧様と妻の夢主の話を書いて頂けないでしょうか！応援しています！ (2020年8月16日 18時) (レス) id: 22f1b67869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あられ | 作成日時：2020年5月17日 2時
