81話 ページ36
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雨の中俯く、ダーマの表情は、俺には見えなかったけど、
玄関前に佇む、痛々しい背中は、どこか哀しくて、苦しい膜に覆われているみたいだった。
どんな話であろうと、俺は、俺だけはちゃんとダーマを理解して支えてやらなきゃいけない気がする。
これは、ダーマが俺に与えた責務と思って、真摯に対応すべきだ。
それが、この先、軍団に悪い影響を与えるとしても。
1人には絶対してはならない。
1人にしたら何をしでかすかわからない、そんな危うささえ感じる。
ダーマがそんな雰囲気を纏ってる地点で、俺の中の不安ゲージは割とマックスだ。
シルクのように、バカ広く客観視できるほどの余裕は、俺には無い。
だから、ダーマの異変にこうなるまで気付かなかった。
同じ残留組としてもっと気を配るべきだった。
俺は野望用で行けなかっただけだが、ダーマは仕事だ。
行きたくても行きようがなかった。
その重荷を少しでも緩和するような企画や、気遣いを俺が持っていれば、
もっと早く気づいて、気を紛らわせることができたんじゃないかって、
自分の無力さと対峙する。
モトキ:あぁぁぁ......
俺がこんなに気を落としてたら、ダメダメだ。
モトキ:よしっ!
と、顔をパシッと叩いて、気合を入れる。
どんなことでも、俺が受け止める!
だからいつでも出てきていいよ、ダーマ!
仁王立ちに近い状態で、リビングに突っ立ってると、
以心伝心したのか、洗面所の扉が開き、ダーマが出てくる。
ダーマ:服、これ勝t......何してんの?
モトキ:いつでもどーぞ!!
ダーマ:はっ............おう
と、俺の勢いに押され、小さく答えると、ソファにボスリと座る。
冷蔵庫から、スイーツを取り出して、それに合う紅茶を、二つ持ち、ダーマの正面に座る。
ダーマ:気が利くじゃん
と、さも当然かのようにスイーツと、紅茶を自分の方へ引き寄せ、口をつける。
モトキ:図々しいかよww
と、いつも通りの会話を装うが、それが一種の合図なのだと、お互いの空気を感じとる。
目が合うなり、沈黙が訪れる。
さぁ、来い、準備は万端だ。
と、しっかりダーマの瞳の奥を捉え、開口を待つ。
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suga(プロフ) - ☆SIRO★さん、拝見していただき誠に恐縮です。フラグの件、理解が及ばずにチェックをしていませんでした。ご指摘本当にありがとうございます。助かりました。 (2019年12月11日 11時) (レス) id: 5f12be8acb (このIDを非表示/違反報告)
☆SIRO★(プロフ) - コメント失礼します。この作品とっても素晴らしいですね。これからも作者様のペースで更新頑張ってくださいませ♪ただ、オリジナルフラグは外した方が宜しいですよ。 (2019年12月10日 15時) (レス) id: c894bfb1ec (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年12月9日 10時