56話 ページ11
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モトキ:イクはさ、他人との秘密隠すのは上手だよね。それ以外はほんと可愛いくらいポンコツ。
イク:失敬だな。
と、口を尖らし、ジト目でこっちを見る。
俺に憎らしいような態度をしたかったのかな?
俺らには逆効果なその顔に、ただただ愛しさを感じる。
はあ、イクだけが気づいてないんだよね……。
困った顔も、下手な怒り顔も、拗ねる顔も、全部、笑顔と同じくらい可愛いってことをさ。
俺らにとって、普段無表情なイクの表情筋が動くことは、なんでもご褒美になる。
視線を時計に移し、寝る前にお風呂に入らないと、と思い、イクに呼びかける。
モトキ:お風呂沸かそうか
イク:俺が掃除するよ。魁は、水でも飲んでて
モトキ:一万円
イク:あ ......
すっごい、意識できてなさ過ぎて、ほんとに超記憶力症候群なのか疑っちゃうwwww
まあ、たしかに、十年以上一緒にいるのに、今更名前の呼び方を変えるのは、至難の業なのかもしれない。
モトキ:ほんとは俺と2人でいる時は免除してあげたいんだけどね。そうなると俺だけイベントで名前呼ばれないから、厳しくいくよー
イク:そっか、うん。よろしく
と、頷いて、軽く両の手を握りしめて、やる気を出してる姿を視界にとらえながら、冷蔵庫の方へ行って、水を取った。
冷たい水を口に含むと、全身に染みわたってくるのがわかる。
なんか、無駄に疲れが出始めてきたから、ソファに腰掛ける。
横になったら多分、寝ちゃうな……
モトキ:俺が眠る前にお願い頑張ってwww
イク:まかせとけ
と、言って小走りで浴室に向かう背を見送り、
脚を伸ばして、ソファに横になった。
あ、こりゃ、ねるわwwww
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suga(プロフ) - ☆SIRO★さん、拝見していただき誠に恐縮です。フラグの件、理解が及ばずにチェックをしていませんでした。ご指摘本当にありがとうございます。助かりました。 (2019年12月11日 11時) (レス) id: 5f12be8acb (このIDを非表示/違反報告)
☆SIRO★(プロフ) - コメント失礼します。この作品とっても素晴らしいですね。これからも作者様のペースで更新頑張ってくださいませ♪ただ、オリジナルフラグは外した方が宜しいですよ。 (2019年12月10日 15時) (レス) id: c894bfb1ec (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年12月9日 10時