35話 ページ38
イクが、水を一口飲み、ペットボトルを机の上に置いたのを確認して言葉をかける。
マサイ:これより尋問を開始します
イク:はーい
そう返事をし、イクは欠伸をかみ締めた。
その欠伸で瞳が潤う。
無防備
無用心
無警戒
隙しかない。
まるで俺を男としてみてない。
ああ、意識されてないんだなって勝手に落ち込む。
まぁそりゃそうか、異性ならまだしも同性なんだ。
"友人"という括り以外でなんて見てないんだろうな。
マサイ:過去に付き合ってた人数、あれは本当なんだろ?
そーだよ、とソファの背に深くもたれる。
この質問に関しての真偽は別に疑ってないし、
イクが俺らにそんなしょうもない嘘をつくわけない。
マサイ:今は誰かと付き合ってる?
いえ、と、目を閉じ答える。
マサイ:その2人の内に、シルクは入ってるの?
そーだよ、と、一番最初と同じテンションで口を動かす。
マサイ:知らなかった、別れてたなんて......
思わずでた声は、掠れていて、自分が驚愕を受けてるんだなって思った。
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イクとシルクは2015年が終わりを告げ、2016年が始まるその日に付き合った。
その日はみんなで例のごとく集まって、忘年会兼新年会をしてた。
その時は、酔いも回りに回って、みんなが落ち着いた頃だった。
眠そうなンダホにダーマがちょっかいをかけて、
モトキはぺけに水をお酒としてガンガン渡してさりげなく介抱してたり、
俺の足の間にイクがもたれていて、イクの足の間にもシルクが同じようにもたれてたり。
ザカオはそんな俺らの隣にいて、イクとお互いに好きな音楽を語り合っていた。
ちょくちょく俺とシルクが二人の会話に入ったりして
みんなが誰かと話してた。
イクが笑う度、髪の毛が俺の頬にあたって、くすぐったかった。
イクの身体が下に下がりすぎないように、脇に腕を通して、後ろから抱きしめると、
イクも無意識だろうが、俺の手を取り、自身が落ちないようにしがみついてきて、
あん時の俺は幸せだったに違いない。
心臓の音が早くなって、音も煩かっただろうが全部お酒のせいにした。
触れ合ってる部分が妙に熱くて、顔も身体も火照ってることも全部お酒のせいだと言い聞かせた。
残り数分で全てがさめることも知らないまま、その時の俺はその時間を満喫してたんだ。
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suga(プロフ) - 奏さん、コメントとご指摘ありがとうございます!励みになりました!使い勝手がままならないので、再度あるかもしれませんが、その都度直したいと思います!本当にご覧頂きありがとうございます。 (2019年12月21日 21時) (レス) id: 39a88c02ba (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 初コメしつれいします!面白かったので一気に読んでしまいました!!これからも御自分のペースで更新頑張ってください。誤字というかミスだと思うのですが名前が活動名と一緒になってしまっています。把握お願いします (2019年12月21日 1時) (レス) id: c5346e137e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suga | 作成日時:2019年11月17日 20時