【原神】執行官。【タルタリヤ】 (ページ3)

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1話ページ3

扉が開いた。

タルタリヤが目の前に座った。

「どうした？A。何をそんなに慌ててるの？」

『た、る、たりやが、かえっ、て、き、た。』

「嬉しいんだ。」

月があと少しで顔を隠しそうな頃に彼は私の元へ帰ってきた。

『さん、か、げ、つ、ぶり』

「もうそんなに立つのか、時間の流れは早い」

『あ、わたし、の、こと、ちゃ、んと、お、ぼえて、た、』

「俺はそんなに薄情な人間じゃないよ」

『まえ、は、わ、すれ、てた』

「随分と前の話だね？」

昔から口を動かすことが少なかった私は、口パクさえもまともに出来ない。

タルタリヤは、今声を出しているのか？

……きっと彼の声は素敵なんだろう。

『こ、んかい、は、な、にを、すれば』

「君に出来ることがあるの？」

『あなたの、ためなら』

「まずはその手足の拘束を解いたら？」

ガシャガシャガシャガシャ

「あ、ああ……あああ！！！あーぁああ！！！」

「……っ、声を出すな！」

『ご、めん、な、さ……』

タルタリヤは出ていった。

彼の実験体である私は、彼に拘束されている。

彼は私を気にかけてくれている。私のことが好きなんだ。彼には私がいないといけない。死ねばいいのに。私を救ってくれた。大好き愛してる。私は彼を理解している。彼は私を救ってくれる。彼しかいないんだ。彼じゃなきゃ。愛してる。殺したい。拘束するのは私を愛してるから。私意外の選択肢なんて無い。彼は私を頼っている。彼の人生の時間を私に使ってくれている。大好き。

タルタリヤと会うと、一気に感情が溢れる。

彼は私を人間にしてくれた。