雪の積もる街に... (ページ13)

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樹「ん、ご馳走様でした。」

ラウール「じゃあ僕片付けて来るね！」

そう言うと、お皿達をのせたお盆を持って、部屋を出て行ってしまった。

なんというか、気まずい空気が流れる

ラウールが言うに人見知りらしいし、俺としても変に会話をして嘘がバレたくはない

北斗「...そのっ、すいません。俺のせいで...」

樹「あ、いや、暇だったんで全然。笑」

「「...」」

会話ってどうやってするんだっけ？

いつもはなんて事ない話が沢山出てくるのに、今は頭の中が真っ白だ

北斗「俺、変な事とか、言ってないですか？」

樹「...グッスリ、でしたよ。」

突然に聞かれたその質問

それに俺は一瞬動揺してしまった

まさか彼が俺の名前を呼んでいたなんて、言えるわけが無い

だって、顔までは知らないけど一方的に彼のことを知ってはいたから

北斗「嘘、ですよね？本当のこと言ってください。」

樹「どうして俺が嘘をついてると思うんですか？」

北斗「それは...一瞬、変な間があいたような気がして」

樹「それって本当に間だった？頭が少しボーッとしてただけじゃない？」

彼の頭は今、本調子では無い

だったら、今なら乗り切れる。

そう思ってアクセルを踏み込む。