拾われました。 (ページ1)

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気持ちはRain ページ1

自分の家とは真逆の方向へ、知らない道をゆっくりトボトボ重い足取りで歩く。

次第に、空は雲に覆われて、大きな雨粒を零した。

それを皮切りに、とめどなく流れる雨。

それは今の自分の心を写すかのようで、俺はさしていた傘をおろし、黙って雨に打たれた。

自分の涙さえもわからなくなるまで...

次第に体温が奪われていき、その場にしゃがみ込んだ

『お兄さん、その傘なんでささないの？こんなんじゃ風邪引いちゃう。』

明らかに自分よりも若いその声は、自分が濡れてしまうのにも関わらず、俺の方へ傘を傾けた。

「そんな事しとったら、君もお互い様やで？」

『そうかもしれない。でも僕は今、お兄さんが心配だから』

こんな俺なんかを心配してくれるんやな...

そう思いながら俯く、俺の目に映るのは11時を指す短針＝腕時計

そして、目の前に居るのは未成年だろう。

「未成年がこんな時間に出歩いててええの？」

『まあ大丈夫。近所のコンビニに寄っただけだから。』

男の子はそう言うと、誰かに電話をかけ始めた

『お兄さんは、僕が未成年だから頼りずらいんでしょ？だから、成人してる人呼んだよ。』