大毅くんとのんちゃん ページ8
大毅side
帰りのHRが終わり駆け足で校門を出てすぐの所に、今じゃ見慣れたのんちゃんの姿。
望「大毅くん!」
のんちゃんは俺の姿を見つけると、控えめに手を振ってくれるからそれに振り返す。
大毅「お待たせ。」
望「ん〜ん、私も今来たとこやから気にせんとって。」
俺より少し低い身長ののんちゃんの頭を撫でてあげれば、分かりやすく顔を赤く染め、上目遣いで微笑む。
大毅「今日いつもと髪型ちゃうねんな?」
望「大毅くんと久しぶりの放課後デートやったから、ちょっと気合い入れちゃった。」
そう言って俺の制服の袖を掴んだのんちゃんの手を握った。
大毅「今日はどこ行こか。」
望「ん〜、どこがええかな〜。」
なぁ、いつになったら話してくれるんやろう。
別に無理に話して欲しいとは言わんけど、そろそろ厳しいと思っとるんやろ?のんちゃん。
大毅「とりあえず商店街の方ぷらぷらしよか。」
望「せやな。」
初めて会った時はホンマにべっぴんさんやと思った。
でも、何度か会って気付いてもうたんや。
不自然な反射を見せる髪の毛、その上全く伸びないんだから。
それに、女子高校生にしてはやけに伸びる身長に、男子中学生には敏感で苦手意識を持ってる所とか。
最初はたまたま程度にしか思ってなかった。
けど、
『あの、お姉さんキーホルダー落としましたよ。』
どこかの中学生男子が親切にのんちゃんのキーホルダーを拾ってくれた時も。
のんちゃんは振り向かず、前を向いて目を瞑った。
大毅「のんちゃん?」
望「ごめん大毅くん、私男の子苦手やねん。」
大毅「ん、そっか。」
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作者名:秋冬 | 作成日時:2024年3月28日 1時