すごいのは ページ9
・
福澤「あ、Aおるやん」
「はいいます」
福澤「対人やろや」
「喜んで!」
くにさんとのほんわかタイムを楽しんでいると、ざーさんが戻ってきた。
ざーさんと対人なんて…!
生きてるうちにできてよかった。
福澤「お前やっぱレシーブ上手いな」
「レシーブしかできないんですけどね」
福澤「おっ、試しに打ってみ」
「…何をおっしゃってるのかよくわかりませんが、ネット男子の高さですよ」
福澤「ええやんええやん。何事もチャレンジやで」
そうは言っても。
私はバレーを始めてから今日までリベロしかしたことない。
スパイクなんて打てない。
どうやるんだろ。
何度かざーさんにトスしてもらって、見よう見まねで打ってみる。
「…うぎゃ!」
福澤「はっはっ、ネットに激突する奴初めて見たわ」
「…いたい」
福澤「レシーブだけは一級品やのになぁ」
「うぅ…」
久原「…下手くそ」
「なっ!?」
ネットに激突して擦った鼻をさすっていると、後ろから久原が来た。
うわ、なんか久しぶりかもしれない。
大丈夫かな、どこもおかしくないかな。
久原「なんでスパイクもろくに打てんねんお前は」
「リベロになんてこと言うのあんた」
久原「ほら、あっち行け」
「はあ?」
背中を押されてライト側へ移動。
そして久原がステップや体の使い方を教えてくれる。
…相変わらず、無表情だけど。
久原「ほら、やってみ」
「…うん」
福澤「いくで、A」
「はーい!」
久原に言われた通りにステップを踏み、腕を後ろへ、本物の翼のように。
思いっきり飛んで打つ。
バシンって大きな音がして、ボールが相手側のコートに転がった。
「え」
福澤「打てるやん!すごいな」
「…打てた」
福澤「もうちょい低いネットやったら綺麗に下にいったかもしれへんな」
久原「そうっすね」
「久原すごい…」
久原「すごいのは俺やなくてお前のセンスやろ」
そう言って頭を撫でてくてる。
…うっそ、こんなの、されたことない。
顔に熱が集まって、上を見れない。
「あ、ありがと、あの、戻ります、」
久原「…なんで敬語やねん」
「し、失礼しますっ」
福澤「…ふっ」
早歩きで、アリーナを出る。
そして女子トイレに駆け込んだ。
…ダメだ。ダメだよA。
だって、久原は、咲良のものだ。
・
262人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花(プロフ) - コッペパンさん» !?!?ありがとうございます…泣泣めちゃめちゃ嬉しいお言葉…!これからもがんばります!! (2021年8月6日 8時) (レス) id: 6782c8e9bf (このIDを非表示/違反報告)
コッペパン(プロフ) - 主様の小説が好きすぎてたまりません。久原くんと男好き悪女と夢主。むっちゃスカッとしましたーー。これからも頑張ってください。 (2021年8月6日 7時) (レス) id: 35bad60104 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - もかさん» もかさああん!!ありがとうございます!!!いやぁ、嬉しいです…!ありがとうございます!!すぐ次回作準備致しますので少々お待ちくださいね!!! (2020年4月22日 21時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
もか - 花さ〜〜〜ん、お疲れ様でした!!悪女退治してスカッとしつつキュンが止まらないという、この、自粛期間にはもってこいのお話でござんした!!次も楽しみです!!! (2020年4月22日 21時) (レス) id: 2e737efd69 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - まっちゃんさん» ありがとうございます、恐縮です…!! 次回作もすぐご用意しますのでお待ちください!!!!!! (2020年4月22日 21時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花 | 作成日時:2020年4月11日 20時