きっと、ずっと、そばにいて。

きっと、ずっと、そばにいて。 ページ42

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結局あの後、翼くんは私の部屋に泊まった。

もう一生分くらい｢好きや｣って言われた気がする。

それくらい幸せな夜だった。




松林｢…上手くいった？｣

｢えへ、うん。ありがとう｣

松林｢なんでだよ、よかったな｣

｢…よかった｣




どれだけ気を引き締めてもニヤニヤしてしまう。

大宅くんに｢きもいっすよ｣って言われてしまった。

しっかりしろA。

その日は自主練までずっとふわふわしてた。

夢見心地とはこのこと。




秦｢Aさん、リベロしてくれません？｣

｢ああ、いいよ｣

松林｢よーし！あの平和ボケした新人マネAAをボッコボコにしてやるぜー！｣

｢ほざけ松林憲太郎！清水邦広さんのスパイクを超えてから出直してこい！｣




うははは、すまんな。

今の私は最強だ。

恋の力はすごい。

今日はパナは午前練だから、私の部屋で待っててくれるらしい翼くん。

そのことを考えるだけで、ボールがよく見えた。

しかも綺麗に、大宅くんの頭上へ返る。




大宅｢Aさんナイスレシーブ！｣

｢ありがと！小野くんもナイスキー！｣

小野｢…あざっす｣

｢…声小さいね。ほら、あれやってよ！はるきマーン！｣

小野｢え、え、恥ずいっす｣

｢恥ずいかー｣




後輩いじめんな！って鶴田師匠からボールを投げられた。

それも後輩いじめっすよ！って言って、ドッヂボールが始まる。

それに何人か参加して、大人が全力でするデスゲームが始まった。

明日筋肉痛だろうなって思いながら体育館を後にして、自分のマンションへ。




｢…ただいま｣

久原｢…遅い｣

｢ごめん、てへ｣

久原｢飯は？｣

｢カレー食べたいでしょ？作るよ｣

久原｢手伝う｣

｢ありがとう｣




2人でキッチンに並んでカレーを作る。

…なんか、夫婦みたい？

翼くんの包丁の使い方にヒヤヒヤしながらやっと完成したカレー。

2人でお腹いっぱい食べて、テレビを見ながらソファに座る。

すると、翼くんが私の手を握って指を絡めてきた。

…あは、照れる。




｢…翼くん、｣

久原｢ん？｣

｢…きっと、この先ね、もっとたくさんのことがあると思うの｣

久原｢…うん｣

｢私のこと、その、嫌いになるかもしれないけど｣

久原｢…｣

｢…ずっと、そばにいて｣

久原｢当たり前やん。離れろって言うても離れへんからな｣




覚悟せえやってって言って、小さくキスを落とした。

私だって、離れてやんないんだから。




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きっと、ずっと、そばにいて。【完】

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