きっと、ずっと、そばにいて。

執着 ページ40

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久原が、私のこと好きって、？

なにこれ、夢？

だってだってだって！

6年も咲良と付き合ってたじゃないのよ！




｢し、信じない！｣

久原｢なんでやねん！｣

｢だって、咲良は？6年も付き合ってたのよ？？｣

久原｢好きやったで咲良も。でも、Aは別やねん。咲良はおらんでもかまへんけど、お前はそばにおらなあかんねん！｣

｢なにそれ…｣

久原｢…俺、気づいたわ｣

｢何に？｣




咲良に別れよって言われたときはそれでも諦めへんかったけど、もしAから言われたら、俺、諦められるで。

って、久原が言う。

…え、なんか、それ咲良の方が好きじゃない？




久原｢ちゃうねん、せやからな？｣

｢うん？｣

久原｢俺、咲良に執着しとったんや｣

｢…執着｣

久原｢せや。心のどこかで、モテモテの咲良と付き合ってることに、優越感を感じとったのかもしれへん｣

｢はぁ、｣

久原｢今思えばそれは好きじゃなくて、あの場所を譲りたくなかったからかも｣




なるほど？

まあ、たしかに。

私がもし菅田将暉みたいな人と付き合ってたら、別れようって言われても｢菅田の彼女｣っていうレッテルが剥がれるから、粘るかもしれない。

なるほど、執着。




久原｢でも、Aは、Aには、幸せになって欲しい｣

｢…｣

久原｢俺を選ばへんくても、Aが幸せなら、それでええ｣

｢…恥ずかしいこと言わないでよ｣

久原｢その違いやねん。せやけど今は、お前が好きや｣




…てかこの体勢恥ずかしすぎるんだけど。

離れようとして何度か試みるけど、久原の力が強すぎて離れない。




久原｢…Aは？｣

｢…えっと、｣

久原｢あ、そういや、好きな奴咲良に取られた言いよったな｣

｢まあ、うん｣

久原｢そいつのこと、まだ好きなん？｣

｢…そうだね、好きだよ｣

久原｢…そっか｣




ごめんな、今まで。

そう言って、力を緩めて私を離す久原。

うわ、久しぶりに目を見たかもしれない。




｢目ちっさ｣

久原｢なんやねんいきなりディスんなや！｣

｢ああ、ごめん｣

久原｢…ちっ、やっと笑った｣

｢…笑った？｣

久原｢…俺の前で笑ったのなんて、ほんま久しぶりやで｣




悲しそうに笑って、立ち上がる久原。

俺帰るわ、サントでも頑張れやって言って、頭を撫でて、玄関へ歩いて行く。

…私は、




｢私はっ、久原の手が好き！｣

久原｢…は、？｣




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